数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

立方体に内接する大小の球(2020豊島岡女子)

「球」を題材とした定番設定の問題です。

このような問題を通して、「立体相互の関係」をしっかり把握しておくと、応用問題にも対応できるようになるでしょう。

小学生は、この問題を解くことはできないものの、
「大小の球と立方体がどのような位置関係にあるのか」
だけは把握できるようにしておきましょう。


【問題】

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図のように、1辺6の立方体ABCD-EFGHの中に2つの球が入っている。
大きい球は、立方体の全ての面に接しており、小さい球は、大きい球と立方体の3つの面AEHD,AEFB,EFGHに接している。
2つの球の接点をQとするとき、四角錐Q-EFGHの体積を求めよ。


(答え;36-12√3)


【解説】
「球と正多面体が接している」
のですから、“対称性”をうまく利用しましょう。

そこで、大小2つの球と立方体を、
「4点A,E,G,Cを通る平面で切断した図」
で考えてみましょう。

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すると、
「立方体の対角線上に“2球の中心(O,O')と接点(Q)”がある」
ような断面図になるはずですね。
(※覚えるのではなく、そうなる理由をしっかり理解しておきましょう。)

この立体相互の関係を把握できていれば、設問に答えるのはたやすいことですね。

「△ECG∽△EQQ'」
から、
「QQ'=CG×EQ/EC=6×(3√3-3)/6√3」
と求まるので、
∴四角錐Q-EFGH=36-12√3