数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「比」の総合演習にオススメ!(2022都立国立)

「比を駆使して解く問題」は同校入試における十八番ですが、今年の問題はそのオンパレードでした。

様々な分野の“比”問題が揃っているので、一通り学んだ後の演習問題として取り組んでみることをお勧めします。

その中から、現段階で誰でも(小学生でも可)取り組める問題でありながら、中々の良問がありましたのでトライしてみましょう。


【問題】
1辺8の立方体ABCD-EFGHがある。
半直線EF上にEP=24となる点Pをとる。
辺CD,AE,FGの中点をそれぞれL,M,N、辺CG上の点をIとする。
四面体N-LMPと四面体I-LMPの体積が等しいとき、線分IGの長さを求めよ。



なお、作図問題についても「ありそうだけれど中々みかけることのなかったタイプ」の出題でした。

「線分をある比に分ける点の作図」は、手間を無視すれば必ず可能ですが、一通り学んだ後には、その手間を省く方法を見つけられるようにしておきましょう。



【解説】
ポイントは、
「点N,I共に平面BCGF上にある」
というところに着目できるかにあります。

つまり、
「平面BCGFと△LMPとの交線」
がわかれば、そこからの
「2点N,Iまでの距離が等しい」
ことから、
「点Iの位置」
が求まりますね。

そこで、
「直線LP,MPと平面BCGFとの交点をそれぞれR,S」
とすると、
「△RCL∽△RFP,△PFS∽△PEM」
より、点R,Sの位置が求まります。

そして、題意を満たすには、
「RS〃IN」
とならなければならないので、
∴7/3


このように、解く過程だけみれば、小学生でも対応できる内容ではあるものの、“立体の把握”に慣れていないと時間がかかるでしょう。

そのためにも、
「様々な視点からの図を描けるようにしておく」
ことの大切さがわかると思います。