数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

公立校のちょっとオモシロイ整数問題(2022大阪府立)

公立高校の入試において出題される整数問題は、私立(または国立)の難関校のような発展問題までは出題されず、典型的な出題形式の標準レベルの問題がほとんどです。
 
ですから、入試当日に焦ってしまうような事態が起こることは稀でしょう。
 
もっとも、都立西などの都立/進学指導重点校の場合は、発展的な内容の整数問題が出題される可能性は高くなりますが…。
 
しかし、都立以外の入試問題の冒頭の小問集合において、下記のような出題がありました。
 
素直に解いていけば焦らずに済むかもしれませんが、早く解き終わらせてしまいたい小問集合であるが故に、焦りを助長させてしまうかもしれない内容となっています。
 
 
【問題】
mを2桁の自然数とする。
mの十の位の数と一の位の数との和をnとするとき、11n-2mの値が50以上であって60以下であるmの値を全て求めよ。
 
 
【解説】
まず、
「m,n共に限られた範囲の中の自然数
であるので、問題文のまま不等式を立てて解いていくことも可能なように思えますね。
 
しかし、その方法で絞り込んでいくには数が多すぎるので、時間的に得策とは言えませんね。
 
そこで、
「新たな未知数を設定して解いていく方法」
を探る選択をすると思います。
 
未知数を増やせば増やすほど絞り込むのが面倒になるので、
「増やす未知数は1つだけにする」
という流れも自然でしょう。
 
「mの十の位の数をx(1≦x≦9)」
とおいて、
「mの一の位の数はn-x(0≦n-x≦9)」
として新たな不等式を立ててみましょう。
 
すると、
「50≦11n-2(10x+n-x)≦60」
という不等式が立てられるので、整理して
50≦9n-18x≦60」
となります。
 
そこで、
50/9≦n-2x≦60/9」
と変形できるかがカギです。
 
「n-2xは整数」
であることから、
「n-2x=6」
とわかりますね。
 
あとは、
「1≦x≦9と1≦n≦18」
からn-xの値を絞り込んでいけるので、
∴m=17,28,39