数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

余りと乗法と“2020”

以前にも取り上げた「合同式」と「西暦年数“2020”」に関する問題です。

合同式は発展事項に属しますが、この考え方が理解できていると下記の問題はサッと解けてしまいます。
もちろん、知らなくともある程度簡単に解くことは可能です。


【問題】
ある整数Aを31で割ると余りが19となる。
このとき、「Aを2020倍した数」を31で割った余りは?

(答え;2)


【解説】
まずは、一般的な解き方です。

題意より、
「A=31m+19 (m:整数)」(*)
とおきます。

すると、
2020A
=2020(31m+19)
=2020×31m+2020×19

よって、
「2020×31m」
は31で割り切れるので、
「2020×19=382380」
を31で割った余りを求めればいいですね。
(このくらいの計算ならば許容範囲でしょう。)



一方、「合同式」の考え方を理解している人は、

A≡19(mod31)
2020≡5(mod31)
∴2020A≡19×5≡2(mod31)

上記の流れは、
「2020=31×65+5」と(*)式
から2020Aを計算してみるとわかるはずです。