“数学嫌い”のお子さん(大人も)は、少なからずいることは否めません…。
そんなお子さんに、最低限身につけてほしい能力が
「数量を概数でとらえる力」
です。
将来大人になってから、
「おおよその量・大きさ・速さなどを素早く把握する」
ことを要求される機会は、社会生活上幾たびもあるはずです。
下記の問題は高校入試問題ですが、小学生にも簡単に解けるはずです。
概数で考えて、サッと解いてしまいましょう。
【問題-1】
3×5=15
5×7=35
7×9=63
9×11=99
…
A×B=899
…
上記が、一定の規則に従っているものとするとき、A,Bの数を求めよ。
【解説-1】
「連続する2つの奇数の積」
を求めていることから、中学生以上ならば、
(2n-1)(2n+1)=899(n:自然数)
という2次方程式を立てて解くでしょう。
しかし、小学生でも予測を立てて求めることは可能ですね。
「連続する2つの奇数の差は2しかない」
ことから、その2数の積はおおよそ、
「ある数の2乗(同じ数どうしを掛けたもの)」
だな、と予測が立つはずです。
899はおおよそ「900」ですから、
「30×30」
に近い連続する2つの奇数の積なので
「29×31」
が候補に上がってきますね。
あくまでもまだ予測段階ですから、しっかり検算をしてから、
∴A=29,B=31
と答えを導きましょう。
(2019愛知県立)
次は、概数を用いる訳ではありませんが、工夫して解いてみましょう。
【問題-2】(中学生以上向け)
「2の24乗」と「3の16乗」とではどちらが大きいか?
【解説-2】
大小を比較するだけなので、実際に面倒な計算をする必要はありませんね。
「指数法則」を用いて“指数”を揃えましょう。
2の24乗=(2の3乗)の8乗=8の8乗
3の16乗=(3の2乗)の8乗=9の8乗
∴「3の16乗」の方が大きい