数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「数学」記述問題について思うこと

「大学入学共通テスト」の記述問題をめぐって、様々な議論がなされています。

「国語」の次数制限解答に比べれば、「数学」の記述解答は受験生も取り組みやすいでしょうし、採点する側も総じて対応はしやすいでしょう。

しかしながら、記述問の採点の際に対応に困る答案が少なからずあるのも事実です。
その答案は、むしろ数学が得意な生徒のものであることが多いです。


よくあるのが、
「かなり遠回りな論理展開を延々と綴った答案」
です。
そのような答案を記述してくる段階で、
“レベルに達していない”
と判断するのも一理はあるでしょう。
しかし、必死で記述したであろう生徒の身になって考えれば、かわいそうな気もします。

当然、そのような場合でも、しっかりと論理を読み取ってあげた上で、論理破綻がなければ“丸”をつけます。
ですが、はっきり言って疲れますし、数が多いとイライラしてくるのも否めません…。


そこで、
「自らの学校を志望してくる受験生の答案」
の場合で考えてみましょう。

まず、採点する先生達もモチベーションが当然高いでしょうし、どんなに疲れようともしっかりと記述の論理を読み取った上で判断してくれるでしょう。
また、たとえ想定外の答案が出てきたとしても、先生達でその都度協議し、共通対応を取り決めることも可能でしょう。


しかし、
「共通テストの答案」
のように志望校の先生が採点しない場合は、どのように対応するのでしょうか…。

業者(アルバイト含む)の採点者のモチベーションは様々でしょうし、ましてや「何万人もの答案への共通対応を臨機応変に取り決める」など、まず無理でしょう。


よって、私が思うのは、
「記述問題は志望校の先生が採点する試験に限るべし」
ということです。
まわりくどい記述をして、“レベルに達していない”からと点がつかなかったとしても、それが採点の共通基準ならば、受験生も合点がいくでしょう。

基礎学力を測る「共通テスト」で、何から何までチェックしようとすること自体無理がありますし、論理展開力などのチェックは学校が独自に行う試験に任せるべきでしょう。
「英語・4技能」についても、然りです。