数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

一度は解いておくべき計算問題

今回も、どこかで見かけたことがある人も多いと思われるものの、初見の人にとっては結構難儀してしまうような「計算問題」を取り上げてみましょう。
 
 
例えば、
 
1/2+1/6+1/12+1/20+1/30
 
という計算問題を出されたら、普通に通分して計算していく人も多いかもしれません。
 
このぐらいの計算だと、その方法でも全く構わないのですが、次のような計算になると「面倒だなぁ」と感じてしまうのではないでしょうか。
 
3/4+3/28+3/70+3/130+3/208
 
このような計算は、一度取り組んでおくと頭に残るはずなので、“頭の中の引き出し”を一つ増やすつもりで取り組んでみましょう。
 
 
なお、入試で
“厄介そうな計算問題”
が出題されたら、まずは
“何らかの計算の工夫”
を考えるのは鉄則でもありますが、難関校になると、時にはゴリゴリの厄介な計算をさせる場合もありますから注意しましょう。
 
 
※今回の計算は“瞬殺”できるところがポイントです。
その工夫の原理をしっかり理解しておくことが、“頭の中に残す”ことにつながります。
 
 
最初の式は、
「1/1×2+1/2×3+1/3×4+1/4×5+1/5×6」
と捉えることができれば、
「(1/1-1/2)+(1/2-1/3)+(1/3-1/4)+(1/4-1/5)+(1/5-1/6)」
と変形できます。
 
つまり、どんどん相殺されていくので
「1/1-1/6」
を計算すればいいだけとなり、すぐ
∴5/6
と答えが出てきますね。
 
 
初見の人にとっては、言われてみれば納得できるものの、なかなか気づきにくい変形でもありますね。
 
ただ、一度知っておけばもう大丈夫です。
 
そのためにも、次の計算に取り組むことで、
“どのような場合にこのような計算が可能となるか”
をしっかり理解しておきましょう。
 
 
 
【解説】
「3/1×4+3/4×7+3/7×10+3/10×13+3/13×16」
と捉えることで、
「(1/1-1/4)+(1/4-1/7)+(1/7-1/10)+(1/10-1/13)+(1/13-1/16)」
と変形できますね。
∴15/16
 
 
 
「まず3でくくる」
というようなことをしてしまうようだと、この計算の原理をわかっていない証拠ですから、しっかり原理を理解しておきましょうね。