数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

ちょっとオモシロイ“西暦年数”問題

以前、
「2025がちょっとオモシロイ整数」
であることに着目した入試問題を取り上げました。
 
今回の問題はその類題となるものですが、今後の入試で“西暦年数問題”として取り上げられる可能性もあるので、取り扱っておくことにしましょう。
 
 
【問題】
まず、
「2024は“20+24=44”で割り切れる」
ということを確認しましょう。
 
このように、西暦年数を
「千の位と百の位で表される2桁の整数」
「十の位と一の位で表される2桁の整数」
に分け、この
「2つの2桁の整数の和」
で元の西暦年数を割り切ることができるかを考えます。
 
「2025以上2099以下」
に限定して、上記の性質を持った他の西暦年数を全て求めてみましょう。
 
 
【解説】
「千の位と百の位で表される2桁の整数=20」
となるので、
「十の位と一の位で表される2桁の整数=10m+n」
とおいて具体的に検討してみることにしましょう。
(※但し、mは2~9,nは0~9の整数とする。)
 
まず、
「AがBで割り切れる」
ということは、
「A-BがBで割り切れる」
と捉え直すことができるかが大切です。
 
整数問題に取り組む際によく用いられる原理なので、初見の場合は、図などを用いてしっかり理解しておきましょう。
 
つまり、
「2000+10m+nが20+10m+nで割り切れる」
ということは、
「1980が20+10m+nで割り切れる」
ことだと考えていけば、この先の展開が見えてきますね。
 
つまり、
20+10m+nが1980の約数」
となればよく、
「20+25≦20+10m+n≦20+99」
に注意してあげていけば、
∴2025,2035,2040,2046,2070,2079,2090
 
 
(2024市川・改題)
 
 
 
少なくとも
「西暦年数“2025”」
の性質に関しては、以前取り上げた内容も含めて、複数の学校の来年の入試問題で取り上げられる可能性が高いでしょう。