当ブログでは恒例となっていますが、
「立体の形状を与条件通りにイメージ(or見取り図を描く)」
できるようにしておくことは大切です。
私立入試などで時折見かけるような
「与条件とは異なる見取り図」
による“姑息なミスリード”に惑わされないようにすることは当然ですが、
「“文章で提示された立体”をイメージできる」
ように訓練しておくことが、立体把握能力を高めることにもつながります。
その際、
「自分の頭の中で正しく立体をイメージできている」
ことこそが大切で、見取り図をうまく描けるか否かは二の次です。
もっとも、見取り図をうまく描けると、それが
“解くきっかけを与えてくれる”
ことにもつながってくるので、余裕があるなら画力も鍛えておくと、入試などでアドバンテージを与えてくれることでしょう。
下記はよく出題される「四面体」なので、しっかり把握できるか確認してみましょう。
【問題】
三角錐OABCにおいて、
「AB=BC=6,∠ABC=90゜,OA=OB=OC=9」
である。
点Aから辺OBを通って点Cまで、最も短くなるようにひいた線と辺OBとの交点をPとする。
このとき三角錐PABCの体積を求めよ。
【解説】
初見の場合は、色々と試行錯誤するかもしれませんが、やがてある立体形状にたどり着くはずです。
まず、
「△ABCが直角二等辺三角形」
で、
「OA=OB=OC」(*)
であることから、
「△ABCを底面とする三角錐」
として捉えることには、皆さん異存はないと思います。
そして、
「点Oから底面へおろした垂線の足をH」
とすると、(*)の条件から、
「点Hが△ABCのどこに位置するか」
がポイントになりますね。
当然、
「HA=HB=HC」
となるので、
「点Hは△ABCの外心(=辺BCの中点)」
とイメージできるかが、
「平面・空間図形を扱い慣れているかに否か」
で分かれるところでしょう。
次に、
という流れは説明するまでもないと思います。
「△OABは二等辺三角形」
であることから、その中線をひけば、
「△ABPと相似な三角形」
が見えてくるはずです。
それを用いて、
「BP=6×1/3=2」
と求まるので、
(2024秋田県立・改題)