数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「いくつもの自然数で割り切れる」とは

多くの皆さんは、
「2~3個の自然数の公約数や公倍数」
ならば、それらの
「最大公約数や最小公倍数」
から求める方法を学んだと思います。
 
では、
「10個以上の自然数の公約数や公倍数」
の場合はどうしますか。
 
「どのくらいの大きさの自然数か」
にもよりますが、
「連除法」
を用いるのであれば、ここまで多いと若干気が引けますね。
 
となると、
「基本に立ち返って求める」
という方針で臨んだ方が、全体像がつかみやすくなるでしょう。
 
 
例えば、
1以上10以下のどの自然数でも割り切れる最小の自然数は?
と問われたとしましょう。
 
「“複数の数”で割り切れる最小の自然数
ということは、
「“複数の数”の最小公倍数」
であることから、
「いくつかのグループに分けて連除法を用いる」
などしても構わないでしょう。
 
いかなる方法であったとしても、
2^3×3^2×5×7」
と導き出すことはできると思います。
 
これを計算すると
「2520」
とはなるものの、素因数分解した形にとどめるのであれば、上記のように容易に全体像をつかむことはできますね。
 
 
では、
1以上16以下のどの自然数でも割り切れる最小の自然数は?
どうなるか求めてみましょう。
 
もし、すんなり求めることができないならば、
「公約数・公倍数の基本」
を理解していない証拠ですから、しっかり復習しておく必要があります。
 
 
【解説】
まず、
「11~16の各数を素因数分解
して検討すれば、
2^4×3^2×5×7×11×13」
と導き出せますね。
 
計算して答えるのであれば、
「720720」
とはなりますが、大切なのは、上記のように
素因数分解した形で表すことができるか」
です。
 
なお、計算した数値を誤って答えてしまうような場合は、
「単なる計算力不足」
とはなるものの、このくらいの計算はサッと正解を導けるようにしておかなければいけませんね。
 
 
(2024大教大附属/池田・改題)