数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

ちょっとオモシロイ“総積”問題(2022開成中,渋谷教育学園渋谷中)

例えば、西暦年数を用いて、
「1×2×…×2022(=2022!)を計算すると末尾に0がいくつ並ぶか?」
という定番の“総積”問題がありますが、取り組み方の原理さえ理解していれば、“瞬殺”できますね。


今年の中学入試において、上記のような
“定番問題の解き方だけ覚えて対処しているような受験生”
には太刀打ちが難しいであろう、“ちょっとオモシロイ”問題が出題されていました。

しっかり原理を理解しているならば対応できるはずですから、自らの力をチェックしてみましょう。



【問題-1】
4人が1個のサイコロ(1~6の目)を1回ずつふり、「4人の出た目の数の積」が4の倍数となるような目の出方は何通りあるか?


【問題-2】
1,2,3,4,5の5つの数字のみを用いてできる「4桁の整数」を全て掛け合わせる。
その計算結果の末尾に0はいくつ並ぶか?



【解説-1】(2022開成中)
「4の倍数」となるには、
「偶数の目が2個以上」(*1)
または、
「4と奇数の目が3個」(*2)
の2パターンありますね。

後は、場合分けして数え上げていくだけですね。

(*1)→3×3×3×3×(6+4+1)
(*2)→3×3×3×4

∴999通り


【解説-2】(2022渋谷教育学園渋谷中)
考え方は定番問題の場合と同じですが、ちょっと気をつけなければいけませんね。

「5の倍数」はともかく、
「“5の2~5乗”の倍数」
について正しく数え上げることがポイントです。

「1~5の数字しか使えない」
ので、
“末尾から2~4桁の数字”
に着目して数え上げればいいですね。

∴5×5×5+5×5+5+1+1=157個