数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

各桁の数字が全て異なる3桁の自然数(2022関西学院)

「3桁の自然数」は、“小さすぎず大きすぎない”ちょうど良い大きさの自然数のため、整数問題の題材となることが多いですね。
 
その中で、「各桁の数字が全て異なる」ものが何通りあるかも、簡単に求められると思います。
 
今回は、さらに条件を付加した形の問題をやってみましょう。
 
これまでにも何度か扱ってきた「場合の数を求めるテクニック」を用いれば、簡単に解けますね。
 
 
【問題】
0から9までの整数が一つずつ書かれた10枚のカードから3枚を選び、並べて3桁の自然数をつくる。
但し、同じカードは1回しか使えないとする。
百の位より十の位、十の位より一の位の数字が大きくなるような3の倍数はいくつできるか。
 
 
【解説】
まず、
「3桁の自然数3の倍数」
となるためには、
「各桁の数字の和が3の倍数」
となる必要がありますね。
 
ここで、各桁の数字の和が
「1+0+0=1以上9+9+9=27以下の3の倍数」
で場合分けして考えていくのは得策ではありませんね。
 
このような問題での鉄則は、
「3の剰余系で考える」
ことでしたね。
 
つまり、題意を満たすには、
「各桁の数字が全て“3で割った余り”が同じ」(*1)
場合か、
「各桁の数字が全て“3で割った余り”が異なる」(*2)
場合に限られますね。
(∵合同式で考えればわかりますね。)
 
この問題の条件では、
「0は使えない」
ことに注意して、
「(*1)が147,258,369」
しかなくて、
「(*2)は(1,4,7),(2,5,8),(3,6,9)から1つずつ数字を選ぶ場合の数」
と等しくなるんでしたね。
(∵3つの数の大小関係は決定しますね。)
 
∴3+3×3×3=30通り