数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「約数の個数」に関する基礎知識(2021桜蔭中・改題)

中学入試における整数問題なので、力業で押し切る方法も最後の手段としてはアリでしょうが、まずはある程度絞り込むことを考えましょう。

そのために知っておくべきことは、小学生と言えどもいくつかありますね。


参照→「約数が2~4個の整数とは?」
https://mcafejr.hatenablog.com/entry/2019/09/13/%E7%B4%84%E6%95%B0%E3%81%8C2%EF%BD%9E4%E5%80%8B%E3%81%AE%E6%95%B4%E6%95%B0%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F



【問題】
「整数Xの約数のうち1以外の約数の個数を[X]」、
「整数Xの1以外の約数の総和を〈X〉」
と表すこととする。
(1)〈A〉÷[A]が整数にならない2桁の整数Aのうち最大のものを求めよ。
(2)[B]=2,〈B〉=1406となる整数Bを求めよ。
(3)60以下の整数のうち、[C]=3となる整数Cは全部で何個あるか?



【解説】
(1)
まずは、
「[素数]=1」
となり題意を満たすことはないので、
「Aは素数ではない」
ということがわかりますね。

後は絞り込む方法がないので、ゴリゴリやっていくしかありません。

ただ、こういう問題では、大体数個調べれば答えにたどり着くようになっているはずです。

もし、この問題の答えが50~60くらいの数だったとしたら、悪問でしかないでしょう。

99×→98×→96○より、
∴96


(2)
「[B]=2」
より、
「Bの約数は3個」
であるので、
「Bは“素数の2乗”となる数」
とわかりますね。

次に、
「〈B〉=1406」
より、
素数を□」
とすると、
「□+□×□=1406」
ということになります。

つまり、
「□×(1+□)=×1406」
となることは、小学生でも理解できますね。

すなわち、
素数から連続する2数の積が1406」
ということですから、
「□=37」
ということも簡単に導けますね。

∴B=37×37=1369


(3)
「[C]=3」
ということは、
「Cの約数は4個」
ということですから、Cは
素数の3乗となる数」(*1)
か、
「異なる2つの素数の積で表される数」(*2)
とわかりますね。

「(*1)が2個」、
「(*2)が9+6+2=17個」
なので、
∴19個