数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

4桁の自然数の「除数」と「剰余」(2021國學院久我山・改題)

「除数」や「剰余」に関する問題においては、“合同式”を用いると楽でしたね。

全員がマスターすべきものではありませんが、上位校合格をめざすのであれば、マスターしておいた方がいいでしょう。

下記の問題も、原題では誘導されながら解いていく形式なので、合同式が使えなくても解けるようにはなっています。

とは言っても、結局は合同式と同じ考え方で解いていくので、使える人にとってはまだるっこしく感じるかもしれません。

そこで例によって、誘導なしで解いてみましょう。


【問題】
千の位をa、百の位を4、十の位をb、一の位を6とする4桁の自然数Nがある。
(1)29で割り切れる最小のNは?
(2)125で割った余りが最も大きくなるようなNは全部で何個あるか?


【解説】
まずは、
「N=1000a+10b+406」
となりますね。


(1)では、
「N≡14a+10b≡0(mod29)」
となるような最小のNを求めるので、
「aに着目」
して考えていけばいいですね。

すると、
「a=2,b=3」
のとき題意を満たすので、
∴2436


(2)では、
「N≡31+10b(mod125)」
となることから、題意を満たすには、
「b=9」
であればよいことがわかります。

そして、
「aには制限がかからない」
ので、
∴9個