数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

合同式に慣れておこう!(2022大阪星光学院)

高校入試においては、当然“合同式”を用いなくても解けるような問題になっているはずです。
 
しかし、特に上位校の入試においては、時間との勝負も大切な要素となってくるので、これからの時期は“解くスピード”にも留意しながら訓練していく必要があります。
 
そのための一つの手段として、
「整数問題における“合同式”の用い方」
に慣れておくといいでしょう。
 
 
 
【問題】
19で割るとn余る自然数がある。
この自然数を11倍して1を加えた数も19で割るとn余るという。
このようなnを求めよ。
 
 
 
この問題を解くのに時間がかかってしまった場合は、合同式の勉強もしておくことを勧めます。
(※上位校をめざすのでなければ、高校に入ってからで全く構いません。)
 
 
 
【解説】
受験間近のこの時期であれば、
「19で割ると~」
という設定なので、躊躇なく合同式で考えていきましょう。
 
題意より、
「11n+1≡n(mod19)」
という式が立てられるので、整理して
「10n≡-1(mod19)」
 
ここでnは、
「0≦n≦18
を満たす自然数であるので、
∴n=17
 
 
 
なお、同校の今年の入試問題は、全体として良問が多く、模試(上位向け)代わりに解いてみることを勧めます。