数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

サクッと解けない場合は要注意!(三角形編)

なんてことはない標準的な平面幾何問題です。しかしながら、苦手としている人がいるのも事実でしょう。「わかっていることを一つずつ積み上げていく」 ことは数学の基本中の基本なので、しっかり訓練して慣れましょう。 【問題】 △ABCの辺AC上の点をDとする…

サイコロの目と関数のグラフ

「サイコロの目の数値」を「関数の式の一部」にあてはめた、よくある「確率とグラフ」の融合問題です。「1次関数のグラフとはどのようなものか」、 「1次関数のグラフどうしが交わる・重なるとはどういうことか」 を再確認する問題です。そして、言うまでも…

サクッと解いてほしい「式の値」問題

中・上位校合格をめざす受験生向けの、入試の「小問集合」によく出てくる「式の値」問題です。サクッと解ききってほしいところですが、正解を導き出せなかったり、手さえ出せなかった場合は、その教訓を必ず本番にいかせるようにしておきましょう。 【問題】…

「順位の決め方」がちょっとオモシロイ“スポーツクライミング複合”

「スポーツクライミング複合」という競技が、先日の東京五輪2020において初めて採用されました。そして、この競技の日本におけるレジェンドのような野口啓代さんは、この大会をもって現役を引退することを表明していました。大会が1年延期されてどうなるのか…

“理詰め”に慣れよう!

東京五輪2020において日本チームは、「野球」では金メダルを獲得し、「サッカー」では惜しくもメダルを逃しました。どちらも「スポーツ」という分野におけるゲームですが、論理性だけで展開できる訳ではないので、“必勝法”というものは存在しませんね。しか…

平方根の整数部分(2021岐阜県立・改題)

これも、「一般公立入試」においては、やや敷居が高い部類に入る問題でしょう。実際の入試問題では誘導設問がいくつかあり、それに答えることで点数を得られるように配慮されています。そして、最終問題として下記の設問があるのですが、例によって、それだ…

“ゲーム必勝法”問題(2021長崎県立)

様々な学力の生徒が取り組む「一般公立入試」においては、やや敷居が高い部類に入る問題でしょう。一方、上位校入試においては出題されてもおかしくないので、該当する受験生はこのような問題で「理詰めで解ききる練習」をしておきましょう。 【ゲーム内容】…

幾何パズルの定番問題

今年の入試問題において、どの「幾何パズル本」にも載っているような定番問題が、そのまま出題されていました。しかし、ある過去問集の解説がやたらとまだるっこしい内容だったので、取り上げることにしました。初見だった場合は、ちょっと考える時間が必要…

有名な数列を知っておこう!

1,1,2,3,5,8,13,21,...これは、有名なフィボナッチ数列ですね。初めて見る人にとっては、どんなルールに則って数字が並んでいるのか、見当がつきにくいかもしれませんね。 (※1+1=2,1+2=3,2+3=5,3+5=8,...) そこで、出だしがフィボナッチ数列と似ている、1,…

“2次方程式と整数”問題(2021慶應義塾女子)

この学校の十八番である「整数問題」と2次方程式とを絡めた入試問題です。「2次方程式の解と係数の関係」に主眼を置いた問題は頻出していますが、今回の問題は“そのようでありながらそうではない”ちょっとオモシロイ問題となっています。原題は、小設問によ…

3色の球の並べ方(2021開成・改題)

赤球、白球、青球のどの色の球もたくさん入っている袋がある。 この袋から1個ずつ球を取り出し、左から順に一列に並べる。 但し、 「連続した3個に赤,白,青の3色の球が並ぶところができる(※この3色の並びの順番は問わない)」 ことを、 「“異なる3色の並び”…

“小数点以下3桁”で表される分数(2021開成・改題)

今年の都立入試においては特殊な試験範囲となりましたが、以前にも伝えたとおり、都立日比谷の問題は拍子抜けするほど平易な内容でした。“整数関連は西”、“複合比関連は国立”とそれぞれの十八番があるので、出題内容がかぶるのを避けたかったのだとは思いま…

サクッとできればOK!(整数の計算編)

整数を題材とした典型的な問題なので、サクッと解けると思います。但し、変な方向に応用させることのないように注意しましょう。 【問題-1】 1<c<b<a<20を満たす整数a,b,cにおいて、 「170a+169b+168cの値が13の倍数」 となるとき、a,b,cの値の組は全部…

「場合の数」問題に“惜しいミス”なし!

「場合の数・確率」の問題においては、何らかのルールが設定されていることが多いですね。まずは、そのルールを素早く正確に読み取った上で、どのような場合が想定されるのかを“慎重に”考えることが大切です。そこがクリアできても、最後の数え上げる段階に…

サクッとできればOK!(場合の数編)

文字通り、サクッと正しく解けるのであれば何の問題もありません。入試では、「このくらいの問題にじっくり時間を割く余裕はない」と思って臨みましょう。 【問題】 A~Dのアルファベットがそれぞれつけられた4個の玉と、1~4の番号がそれぞれつけられた4個…

四角錐の体積・展開図・塗り分け(2021都立青山・改題)

「三平方の定理」を試験範囲から除外した今年の入試問題なので、小学生にも解ける内容になっています。「展開図の正誤問題」は、得手不得手がハッキリと分かれる分野だと思いますが、基本的には慣れてもらうしかありません。立方体などの簡単な立体の“展開図…

サクッとできればOK!(代表値編)

文字通りサクッと解くことができれば、何の問題もありません。しかし、ウッカリ間違えてしまうような場合は、入試に向けて留意しておかなければならないでしょう。 【問題-1】 6人が各々10個の玉を投げ、かごの中に入った玉の個数を数えた。 そのうち、 「4…

ちょっとオモシロイ“理詰め”問題(2021ラ・サール中・改題)

“論理的にものごとを捉えようとする力” は、「数学」を学び進めていく上で非常に大切ですね。こどもの場合、この基本的な力が育ってきているか否かで、 「ものごとの理解力さらには応用力」 に大きな差が出てしまうことがあります。例えば、以前からお伝えし…

小学生の方が速く解ける?大学入試問題(n進数編)

この前は「2進数」の問題だったので、今回は「8進数」でいきましょう。ザックリ言ってしまえば、 「0~7の最大8種類の数字からつくられた数」 のことでしたね。例えば、 「8進数の“123”=123(8)」 を10進数で表すと、 「8×8×1+8×2+3=83」 となりますね。 下記…

頭の中だけで解ける幾何パズル-2(2021開成中)

「正六角形」を題材とした今年の中学入試問題です。意外と解けない人がいるようなので取り上げてみます。頭の中だけでも十分解けるはずですが、ラフな図で構わないので描いて考えてみると“見えて”くるはずです。 (※「一般に出回っている解き方」で考えよう…

樹形図?or計算?

こどもと大人で対応が分かれるかもしれませんが、とりあえずは自分なりの方法で解いてみましょう。受験生ならば、このような“似ているけれども別の問題”が並んで出題されているときは、何らかの関係性を考えますね。さぁ、関係性を探って考えてみるべきか否…

「倍数判定法」の応用

今年受験した人は、 「2021=43×47」 は知っていることでしょう。つまり、 「2021は43または47の倍数」 ということですね。 【問題】 例えば“2021”のように、 「千の位と十の位の数が2である4桁の整数をN」 とする。 (1)45の倍数となるNを全て求めよ。 (2)44…

円弧を外形の一部とする図形の面積

実際の中学入試問題を中学生用に改題してみましたが、小学生でも解けないことはないと思います。円周率はπとして計算してみましょう。 【問題】 図のように、円周上に4点A,B,C,Dがあり、弧AB:弧BC:弧CD:弧DA=3:2:6:1である。 AB=10のとき、弦AB,弦CDと円弧と…

約分した分数の分子(2021フェリス女学院中・改題)

整数問題は「いかに絞り込むか」に尽きますね。入試等では時間の制約があるのは当然なので、普段から素早く正確に答えを求められるよう心がけておくことが大切です。 【問題】 「nを4以上179以下の整数」 とするとき、 「n/180を約分すると分子が3」 となる…

“受験算数”を全てのこどもには勧めない理由

【問題】 Aさんが10歩で歩く距離を、Bさんはいつも8歩で歩きます。 Aさんが625歩進んでから、Bさんが同じ地点からいつもと同じ歩幅で、Aさんの1.5倍の速さで追いかけました。 BさんがAさんに追いつくのは、Bさんが出発してから何歩進んだときですか? 但し、…

ちょっとオモシロイ“線分比と面積比の変換”問題(2021豊島岡女子中)

中学生にこの問題を出すと、 「未知数設定→方程式立式」 の流れで解こうとするかもしれません。しかし、 「線分比と面積比の相互変換」 の原理さえわかっていれば、小学生でも解けますね。この問題のように、方程式を立てる方が面倒になるならば、受験算数的…

「新中1~3生」が4月中にマスターしておくべきこと

3度目の緊急事態宣言が発令されましたね。昨年のように「学校が一斉休校」とはならないものの、通常通りの学習を行うことが難しくなってくるかもしれません。そこで、昨年のこの時期にアップした投稿をまとめておきます。連休中にしっかり確認しておき、5月…

「Aで割るとB余りCで割るとD余る」整数(2021豊島岡女子中)

【問題】 7で割ると2余り、9で割ると3余る整数のうち、2021に最も近いものを求めよ。 中学生以上にこの問題を出したら、「不定方程式」を立てて考えることでしょう。小学生でも、この類の整数問題に取り組むための原理がわかっていれば、不定方程式の一般的…

正方形と円の“入れ子図形”(2021渋谷教育学園渋谷中・改題)

幾何パズルなどで見かけたことがある人も多い図形でしょう。「正方形に内接する円があり、その円にまた内接する正方形があり、その正方形に内接する…」 が繰り返される“入れ子”設定の問題です。順番に考えていけばいいだけですが、小学生だと若干混乱してし…

「回転体の体積」をできるだけ簡単に求めてみよう!(2021渋谷教育学園渋谷中・改題)

中学入試における「回転体の求積問題」なので、解けるのは当然のこととして、 「いかに少しでも楽して求めるか」 という観点からやってみましょう。基本的な解法としては、 「3種類以上の回転体の増減」 で求めるでしょうが、 「2種類以下」 で求められるよ…