【問題】
7で割ると2余り、9で割ると3余る整数のうち、2021に最も近いものを求めよ。
中学生以上にこの問題を出したら、「不定方程式」を立てて考えることでしょう。
小学生でも、この類の整数問題に取り組むための原理がわかっていれば、不定方程式の一般的な解き方に準じた方法で臨めます。
しかし、鮮やかに解けるタイプの設問ではないので、ある程度の“ゴリゴリ作業”を強いられることになります。
…と思いきや、
「7で割ると2余り、9で割ると3余る整数」
がすぐに1つ求まってしまうところが、中学入試問題らしいですね。
そこをクリアしてしまえば、「答え;2046」にたどり着くのはたやすいことでしょう。
(※「1983」という誤答に誘引されないように注意しましょう。)
このような問題を通して学んでほしいことは、例えば
「7で割ると2余り、9で割ると3余る整数」
に、
「なぜ周期性があり、なぜその周期になるのか」
というところです。
小学生に限らず、中学生にも言えることですが、各種問題の“解法だけ”をマスターして、
「解けた!解けた!」
と喜んでいるようでは、その先の進歩につながりませんね。
中学生以上ならば、様々な角度から説明できるようにしておきましょう。
「ものごとの原理」をしっかり理解するよう心がけることが、まずは大切です。
【解説】
方向性を出さずとも、
「7で割ると2余り、9で割ると3余る」
ような整数を漠然と探してみれば、
「30」
という数にたやすくたどり着けると思います。
本来ならば、
「7a+2=9b+3」
より、
「7a-9b=1」
を導いて考えるのが筋ではありますね。
小学生も、方程式を立てずとも、
「線分図などで考える」
ことで、まずは
「7の倍数より1少ないの9倍数」
を探せばいいことがわかりますね。
あとは、
「30+63k(k:整数)」
となる最も2021に近い整数を探せばいいので、
∴30+63×32=2046