小学生が整数問題に取り組む際によく用いる手段が、ゴリゴリ書き出して求める“力業”です。
式の取り扱い方に未習部分が多いのでもっともな面もあるのですが、上位校の入試においてはそうも言ってられません。
ある程度は「整数の扱い方」に慣れておかないと、制限時間内に解ききるのは難しくなってくるでしょう。
【問題-1】
「2342,2894,3561を1以外の整数Aで割ると余りがどれもBとなる」
とき、A,Bに当てはまる整数を求めよ。
【問題-2】
2023枚の折り紙をP,Qの2人で分ける。
同枚数ずつ、P,Q,Q,P,P,Q,Q,P,P,...の順にとっていき、最後にその枚数がとれなかった場合は、その最後の人が残り全てをとることとする。
例えば、
「20枚ずつ→P;1020枚,Q;1003枚」
「30枚ずつ→P;1003枚,Q;1020枚」
となる。
(1)23枚ずつとっていくとPは何枚となるか?
(2)「X枚ずつとっていくとPが1023枚」となるとき、Xの値を求めよ(但しXは素数)。
【解説-1】
整数を扱う上で大切な原理である、
「ある整数で割った余りが同じ」
とはどういうことでしょうか。
それが分かっていないと、途方に暮れてしまうことでしょう。
小学生は、線分図などを描いてみればわかると思いますが、
「それぞれの“差”が割る数の倍数」
であることを理解しておきましょう。
それさえクリアできていれば、
「割る数は23」
とわかるはずです。
∴A=23,B=19
【解説-2】
(1)
「4回周期」
で考えるのがいいでしょう。
∴1011枚
(2)
「Pが1023枚」
ということは、
「Qが1000枚」
とわかります。
つまり、
「Xは上記のどちらかの約数」
であるはずですね。
但し、
「Xは23より大きな素数」
であることに注意すれば、
「Xは1023の約数」
であることが見えてきますね。
∴X=31