数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

サクッとできればOK!(整数の計算編)

整数を題材とした典型的な問題なので、サクッと解けると思います。

但し、変な方向に応用させることのないように注意しましょう。



【問題-1】
1<c<b<a<20を満たす整数a,b,cにおいて、
「170a+169b+168cの値が13の倍数」
となるとき、a,b,cの値の組は全部で何通り考えられるか?


【問題-2】
2021×2019-2018×2018-2020×2023+2019×2019+2020
を計算せよ。



【解説-1】
合同式で考えればいいですね。

「170a+169b+168c≡a-c(mod13)」
となることから、題意を満たす組み合わせを考えれば、
「15≦a≦19」
の各場合において12通りずつあるので、
∴60通り

(2021豊島岡女子)



【解説-2】
このような計算の場合は、何かの値を文字で置き換えればいいんでしたね。

例えば、
「2020=A」
とおいて展開すれば、
∴与式=-4
と何でもない計算ですね。

(2021立命館


しかし、これをなぜか合同式で考えたとすると、
「与式≡-4(mod2020)」
となります。

そこで、
「2021×2019-2018×2018-2020×2023+2019×2019」
は、
「±2前後の数どうしの積の和差」
なので、
「相殺されてほぼ0」
と考えてしまい、最後に+2020するので、
∴与式=2016
というようなことをしてしまわないようにしましょう。


とはいえ、
「2021×2019-2018×2018-2020×2023+2019×2019」
は、
「-2024」
となるのですが、この計算結果の概数をパッとイメージせよと言われると、“0前後”と考えてしまいがちではありますね。