数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「共通な解が1つ」である2つの2次方程式

高校生以上がパッとみると、
「2つの2次関数のグラフの共有点問題?」
と、変な方向に行ってしまうかもしれませんね。

この問題では「判別式」は関係ありませんので、よく読み直してみましょう。

原題の高校入試問題では誘導設問があるのですが、この時期の受験生ならば誘導なしでも解けるはずです。

夏休みの勉強の成果を試してみましょう。


【問題】
2つの2次方程式
x×x+(5-2a)x-10a=0
x×x-ax-a-1=0
が共通の解をただ1つもつとき、aの値を全て求めよ。


【解説】
まずは、それぞれの方程式の解を求めておきましょう。

解の公式にもっていくのではなく、因数分解して対処できるはずですね。

(x+5)(x-2a)=0 (*1)
(x+1)(x-a-1)=0 (*2)

(*1)の解はx=-5,2a
(*2)の解はx=-1,a+1

ここで、各々が重解の場合を気にする必要はないので、
「共通の解をただ1つもつ」
のは、
(1) -5=a+1 (2a≠-1) の場合
(2) 2a=-1 (-5≠a+1) の場合
(3) 2a=a+1 の場合
の3通りあることがわかります。

∴a=-6,-1/2,1


(2021立教新座・改題)