数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

確固たる裏付けのもとで解いていますか?

解く過程を記述させる問題で、
「正しい論理展開ができていないのに答えだけは正解」
とする生徒が多かったとしましょう。

もしその問題が、
「答えのみ求めさせる形式」
であったならば、
「正解だったから全く問題なし!」
としていると、要注意な場合が結構あることが想定されますね。

つまり、
「考え方に確固たる裏付けがない」
にもかかわらず、
「“たまたま”正しい裏付けに基づいた方法で対処し正解」
だった生徒が多いであろうからです。

テストの点数が良かったり悪かったりと、フラフラしている生徒に多いのですが、
「与条件には何も示されていない」
のに、
「与えられた図がそれっぽいから…」
などの理由で、
「自分勝手な前提条件をもとに解いていく」
というようなことは、絶対にしてはいけませんね。

記述式問題でないと、このような基本的対処法における欠陥は指摘されにくいかもしれません。

自分がそのケースに当てはまっていないか、チェックしてみましょう。


【問題】
ある平面上で、正方形ABCDを頂点Aを中心に反時計回りに70°回転させる。
それによって点B,C,Dがそれぞれ点E,F,Gに移動したとする。
このとき、∠DCFの大きさを求めよ。


「図は自分で描いて考える」
という習慣をつけておいた方が、出題者側の姑息なミスリードに惑わされずに済むでしょう。


【解説】
まず、
「線分DCと線分EFの交点をH」
とします。

すると、
「△ADH≡△AEH」
が導けますね。
(※この証明がサッと頭に浮かばないようでは練習不足ですね。)

これより、
「DH=EH」
となるので、
「CH=FH」
より、
「∠HCF=∠HFC」

ここで、四角形ADHEにおいて、
「∠DHE=160°」
となるので、
∴∠DCF=10°

(2021福岡大附属大濠)


これらが全て頭の中で裏付けられている場合のみ、
「正解であれば全く問題なし!」
となりますね。

そうでない場合は、おそらく様々な応用問題に取り組めないでしょう。