数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

立方体の4頂点を結んでできる四面体(2020西大和学園)

立方体は、誰もが一番慣れ親しんだ正多面体でしょう。

ですから、わざわざ図を描かなくても、頭の中だけでも様々なイメージができると思います。

だからこそ、油断も生まれがちではありますが、そんな立体を用いた確率問題です。

毎度のことではありますが、じっくり時間をかけて正解にたどり着いたとしても、それは当たり前のことです。
数分で正しく解ききる練習が必須です。


【問題】

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上図のように、番号1~6をつけた6つの白玉と2つの黒玉を線分で結んだ立方体がある。
同時に2つのサイコロを振り、出た目の番号と同じ番号の白玉をそれぞれ黒く塗る。
但し、同じ目が出たときは、出た目の番号と同じ番号の白玉を1つ塗る。
このとき、全ての黒玉を線分で結んでできた立体が、正三角形の面を少なくとも1つ含む四面体となる確率を求めよ。


※答えが「5/9」と出た人は要注意です。



【解説】
まずは、
「元々ある2個の黒玉」
を用いた正三角形を考えてみましょう。

すると、
「1または3が黒玉」
となれば正三角形は形成されますね。

つまり、
「2個のサイコロの目の少なくとも1つが1または3」
となればいいので、
「1,3の目を含まない場合」
という余事象で考えて、
「1-4×4/6×6=5/9」
と答えた人は注意不足ですね。
(“数学が得意な生徒”がやらかしがちなミスです。)

“四面体となる”という条件がついていますから、
「(1,1),(3,3)は不適」
ということを忘れずに考慮して、
∴1-(4×4+2)/6×6=1/2


【別解】
正攻法で数え上げて、
(1と3) が2通り
(1と1,3以外) が8通り
(3と1,3以外) が8通り
であるので、
∴(2+8+8)/6×6=1/2