数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

直角錐と斜角錐

“斜角錐”というと小難しく聞こえるかもしれませんが、例えば「直方体ABCD-EFGHを切断してできる三角錐A-EFH」がそれに該当しますね。
(※“立方体”ABCD-EFGHならば三角錐A-EFHは“直角錘”ともなりますね。)
 
要は、
「底面の重心の真上に頂点があるかないか」
で“直角錐”と区別している訳です。
 
よく問題で、
「(“直角錐”である)正四角錘」
が題材とされますが、問題文では“直角錐”であることの何らかの説明が必ず施されているはずです。
 
もし何の説明もなしで、ただ“正四角錘”という名称だけが示された入試問題があったとしたら、脇が甘い出題者が作成したものと言えるでしょう(普段扱う練習問題であれば暗黙の了解で済まされることもありますが…)。
 
なぜなら、
「正方形の重心の真上に頂点がない“斜角錐”」
を“正四角錘”と呼んだとしても別に間違いではない訳ですから。
 
いずれにせよ、どんな錘体であったとしても
「底面積とそこから頂点までの垂直距離」
さえわかればその錘体の体積を求めることができるので、今まで何も気にとめてはいなかったとしても、“斜角錐”に普通に接してきているはずです。
 
 
では、今回の問題で扱う錘体は“直角錐”でしょうか?“斜角錐”でしょうか?
 
 
 
【問題】
三角錐O-ABCがある。
底面△ABCに平行な平面と、辺OA,OB,OCとの交点をそれぞれ点D,E,Fとする。
DE=8,EF=4,FD=4√3,AB=12,DA=EB=FC=6のとき、
五面体DEF-ABCの体積を求めよ。