数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「2つの定義域で値域が一致する」問題(2022近大附属)

ある定義域(xの変域)で、
「“異なる2つの1次関数”または“1次関数と2次関数”の値域(yの変域)が一致する」
設定の問題は、よく見かけると思います。
 
今回は、
「2次関数において2つの定義域における値域が一致する」
という、高校入試の段階においてはちょっと珍しい設定の問題です。
 
高校受験生であれば、ちょっと考える必要があるかもしれませんが、取り組み方としては“理詰めで攻める”ことに変わりはありません。
 
入試本番で焦ってしまうことがないように、今から慣れておきましょう。
 
 
【問題】
関数y=x^2において、
「xの変域がa≦x≦a+4のときのyの変域」
と、
「xの変域がa+1≦x≦a+6のときのyの変域」
が一致する。
このとき、aの値を求めよ。
 
 
【解説】
まず、この関数のグラフは
「頂点が原点で下に凸の放物線」
で、
「y軸に関して対称」
となっていますね。
 
そして、
「2つの定義域のx最小値・最大値に一致する値がない」
ながらも、
「2つの定義域に重複部分」
があることから、
「yの最小値は0」
であることがわかるようになりましょう。
 
ということは、yの最大値も一致するには、
「x=aのときとx=a+6のときのyの値が一致する」
必要がありますね。
 
∴a=-3