数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

三角形の内部の1点と各頂点を結んだ設定の問題(2022久留米大附設・改題)

PA+PB+PCが最小となるような△ABCの内部の点Pの位置を求めよ」
というような問題は、上位校を狙っている受験生ならば、どこかで解いたことがあると思います。
 
今回の問題は、そのような問題を彷彿とさせながらも、論理的な思考力を試されるようなオモシロイ問題となっています。
 
実際の入試問題では誘導設問がいくつかあるのですが、例によって、誘導設問なしでトライしてみましょう。
 
 
【問題】
∠A=90゜の直角二等辺三角形ABCの内部に、「PA=1,PB=√2,PC=2」
を満たす点Pをとり、点Pと辺AB,BC,CAに関して対称な点をそれぞれD,E,Fとする。
このとき、△PAB:△PBC:△PCAの面積比を求めよ。
 
 
【解説】
まずは、
「∠DBE=∠ECF=90゜,∠FAD=180゜」
と、
「CF=FD=DE=EC=2」
を導いておきましょう。
 
これより、
「正方形CFDE」
が導けますね。
 
そして、
「五角形BECFD=5=△ABC×2」
と求まることから、
「AB×AC=5」
となり、
「AB=AC=√5」
とわかります。
 
よって、
「∠APC=90゜」
とわかるので、
「△PAC=1,△PAB=1/2」
 
さらに、
「△PBC=5/2-1-1/2=1」
と求まるので、
△PAB:△PBC:△PCA=1:2:2
 
 
 
※実際の入試問題では、
「DE,EF,FDの長さ」、
「五角形BECFDの面積」、
「ABの長さ」
を求めさせた上で上記の設問があります。