難関校をめざすのであれば、「正五角形」をしっかり勉強しておくことは必須でしたね。
今回は、その基礎知識を用いて解いていく「正五角形の回転」問題です。
但し、前回指摘したタイプではなく、
「回転の中心が重心ではない」
ところがミソです。
2021年の入試問題においては、
「正五角形を題材とした問題が増えるのでは…」
という漠然とした“肌感覚”に基づき、取り上げてみました。
【問題】
正五角形ABCDEがあり、その面積をSとする。
辺AB,BC,CD,DE,EAの中点を、それぞれF,G,H,I,Jとする。
点Fを中心として正五角形ABCDEを回転させ、
「点A,B,C,D,E,F,G,H,I,Jが点A',B',C',D',E',F',G',H',I',J'に移動した」
とする。
「点I'と点Hが一致した場合(上図参照)」
について、次の問いに答えよ。
(1)△BFGの面積をSを用いて表せ。
(2)2つの正五角形が重なった部分「六角形FBCHE'A'」の面積をSを用いて表せ。
(答え;(5-√5)S/40,(15-√5)S/20)
設問(1)は、(2)を解くための誘導設問であることは想像がつきますね。
あとは、様々な場所に現れる“黄金比”を活用すれば、難なく解けますね。
【解説】
まずは、
「何度回転させたのか」
を明らかにしておくと、解きやすくなります。
「IF〃DB,HF〃DA」
となることから、回転角度は、
「∠IFH=∠ADB=36゜」
となるので、
「直線A'B'と直線JFは一致」、
「直線D'E'と直線HIは一致」
することがわかりますね。
さらに、
「五角形FGHIJは正五角形」
であることも押さえておけばいいですね。