数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

回転体の体積の求め方-2(2020山梨県立)

「過去問集の模範解答」に、やたらと面倒な解き方が示してあったので、取り上げてみました。

「回転体の体積」を求める問題では、確かに面倒な解き方しかない場合もありますが、工夫すればそれほどでもないことが多いので、しっかり練習しておきましょう。

※以前にも、別問題で解説済みです。
「回転体の体積の求め方」
https://mcafejr.hatenablog.com/entry/2019/10/19/%E5%9B%9E%E8%BB%A2%E4%BD%93%E3%81%AE%E4%BD%93%E7%A9%8D%E3%81%AE%E6%B1%82%E3%82%81%E6%96%B9?_ga=2.221408664.1041071194.1607088439-373922695.1607088439


【問題】(2020山梨県立・改題)

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1辺6の正三角形ABCの内接円の中心(内心)をOとする。
点D,Hは内接円との接点である。
線分AOと円Oとの交点をEとし、EF〃BCである。
このとき、線分BO,OE,EF,FD,DBで囲まれた図形を、直線AHを軸として1回転させてできる立体の体積を求めよ。


(答え;15√3π/2)


【解説】
求めるべき回転体を、
「△OEF,△ODBの回転体の和」
として考えれば面倒ではありませんね。


「△OEFの回転体」
の方は、そのまま簡単に、
「3×3×π×√3×1/3=3√3π」(*1)
と求められますね。


「△ODBの回転体」
は、
「△OABの回転体-△OADの回転体」
で求めれば簡単ですね。

「△OABの回転体=3×3×π×2√3×1/3」
で、
「△OADの回転体=3/2×3/2×π×2√3×1/3」
となるので、
「△ODBの回転体=9√3π/2」(*2)
と求められます。


よって、(*1),(*2)より、
∴3√3π+9√3π/2=15√3π/2