数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

立体の見取り図

絵を描くことに苦手意識を持っている場合、
「立体の見取り図」
を問題の与条件通りに描けず、苦労している人もいるかもしれません。

一般的には、やや見下ろした視点からの
「立体の正射影」
を元に描くと、“それらしく”見えます。

奥行きや高さが大きいものではないので、
「遠近法」
を用いる必要はありません。


時々、
「“キュビズム”まがいの見取り図」
に出くわすことがあります。

「問題の添付図」
で、
「図でヒントを与えたくない」
という意図を汲み取れる場合は、まぁ許容できなくもありません。

しかし、
「何らかの解説のための図」
である場合、
「“人間の視覚”からかけ離れた図」
はキモチワルイだけですね…。


例えば、
「正二十面体」
は、面が多数あるので見取り図が描きにくいですね。

この立体の場合は、“やや見下ろした視点”からではなく、
「面に平行な正射影」
を元に見取り図を描いても、面が多いが故にそれらしく見えます。


すると、その外形(シルエット)は、
「正六角形」
となりますね。

その場合、
「外形の“正六角形”と面の“正三角形”の1辺の比率」
を計算してみたらわかりますが、
「キレイな比率とはならない」
ので、描くときには注意が必要になります。

「見下ろした視点からの見取り図」
であるならば、多少の誤差は問題ありませんが、
「面に平行な正射影」
となると、正確に描かなければ“数学的にオカシイ”図になってしまいます。
(※ネット内でも結構見受けられますね…)

「面に平行な正射影」
を元にすると、例えば下のような図も描けます。


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