数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

平面幾何

確固たる裏付けのもとで解いていますか?

解く過程を記述させる問題で、 「正しい論理展開ができていないのに答えだけは正解」 とする生徒が多かったとしましょう。もしその問題が、 「答えのみ求めさせる形式」 であったならば、 「正解だったから全く問題なし!」 としていると、要注意な場合が結…

サクッと解けない場合は要注意!(三角形編)

なんてことはない標準的な平面幾何問題です。しかしながら、苦手としている人がいるのも事実でしょう。「わかっていることを一つずつ積み上げていく」 ことは数学の基本中の基本なので、しっかり訓練して慣れましょう。 【問題】 △ABCの辺AC上の点をDとする…

幾何パズルの定番問題

今年の入試問題において、どの「幾何パズル本」にも載っているような定番問題が、そのまま出題されていました。しかし、ある過去問集の解説がやたらとまだるっこしい内容だったので、取り上げることにしました。初見だった場合は、ちょっと考える時間が必要…

頭の中だけで解ける幾何パズル-2(2021開成中)

「正六角形」を題材とした今年の中学入試問題です。意外と解けない人がいるようなので取り上げてみます。頭の中だけでも十分解けるはずですが、ラフな図で構わないので描いて考えてみると“見えて”くるはずです。 (※「一般に出回っている解き方」で考えよう…

ちょっとオモシロイ“線分比と面積比の変換”問題(2021豊島岡女子中)

中学生にこの問題を出すと、 「未知数設定→方程式立式」 の流れで解こうとするかもしれません。しかし、 「線分比と面積比の相互変換」 の原理さえわかっていれば、小学生でも解けますね。この問題のように、方程式を立てる方が面倒になるならば、受験算数的…

頭の中だけで解ける幾何パズル(2021慶應義塾中等部・改題)

今年の実際の中学入試問題ですが、電車の中や湯船につかりながらでも、頭の中だけで解けてしまう幾何問題です。小学生には反感を買うかもしれませんが、中学生以上ならば“楽しめる幾何パズル”といった感じでしょう。 【問-1】~幾何パズルの定番~ おうぎ形O…

「三平方を使わずに」がヒントになる問題(2021神奈川県立・改題)

昨日の神奈川県立の入試問題より、一般都立入試のための練習となる問題です。「三平方」を使っても解けますが、若干計算が面倒になりますね。「三平方を使わずに」という制約があることが、逆に簡単に解くためのヒントになるでしょう。 【問題】 1辺18の正三…

「三平方」を使わずに解く問題

「2021大学入学共通テスト」の平面幾何問題を、 “三平方を連想させるような図が描かれているのに三平方を使わずに解く問題” にアレンジしてみました。今年の都立入試では、 「三平方の定理は出題範囲から除外」 されるので、ちょうどいい練習になると思いま…

“2回”折り返し問題

平面図形を 「“紙”のようなものと捉えて折り返す」 という設定の定番問題です。これまでにも何度も取り上げていますが、今回は、 「“2回”折り返す」 パターンでいきましょう。 【問題】左図のように、長方形ABCDの紙を線分EFを折り目として折ると、点Bが線分…

正三角形に内接する正方形

ごくごくノーマルな問題ですが、解く方針を見極めたら、短時間に正しく計算しきれるかを試してみましょう。 【問題】 図のように、正三角形の中に大小2つの正方形が接している。 小さな正方形の1辺の長さが√3のとき、正三角形から大小2つの正方形を除いた部…

サクッとできればOK!(「ひし形と角度」編)

パズルのような問題ですが、“サクッと解くことができるか”がポイントです。方程式を“こねくり回して”解けたとしても、それは当たり前です。小学生の方が得意かもしれませんね。 【問題】ひし形ABCDの辺AB上に点Eをとると、 「∠A:∠B:∠CED=11:4:5」 という角度…

ちょっとオモシロイ「正五角形」問題(2018学大附属・改題)

難関校をめざすのであれば、「正五角形」をしっかり勉強しておくことは必須でしたね。今回は、その基礎知識を用いて解いていく「正五角形の回転」問題です。但し、前回指摘したタイプではなく、 「回転の中心が重心ではない」 ところがミソです。2021年の入…

気づけるような“回路”を形成・定着させよう!

入試問題においては、 「正しく解く」 のが第一目標ではありますが、 「解く時間をいかに短くするか」 も、合格へ向けては大切な要素になってきますね。受験直前までの追い込み時期に、ある程度の演習量をこなしておくと、 「対処法としての“思考回路”」 を…

「異なる4点」を直線で結んでみると・・

「異なる4点」が同一平面上にある場合、その4点を直線で結んでみると、どのような図形が形成されるでしょうか。「1つの線分、三角形、四角形」 が考えられますが、当然ながら“立体”は形成されませんね。では、 「同一平面上にはない異なる4点」 を直線で結ぶ…

「全て求めよ」(2020埼玉県立・改題)

このような文言で締めくくられた設問の場合、大抵は、 「答えが複数あるな」 という予測をすると思います。しかし、時には、 「答えは一つのみ」 であるにもかかわらず、“引っ掛け”てくることもあり得ますので、一応注意しておきましょう。さて、今回の問題…

放物線と角の二等分線

「関数のグラフと幾何」の典型的な融合問題の一つです。「関数」をまだ習っていなかったとしても、関数の基本がわかっていれば解けるはずです。 (※上記の関数のグラフは“放物線”と呼ばれる曲線となります。) 【問題】関数のグラフ上に2点A,Bがあり、点A(4,…

「比」だけで解いてみよう!(2020福井県立・改題)

「三平方」を使わずに解くことができる問題なので、小学生でも対応できるはずです。但し、 「“図の感じ”から何となく直感で解いて“たまたま”正解だった」 というようなことがないか、注意しましょう。論理的に裏打ちされた理由に基づいて正答を導いていない…

面積の三等分

「平面図形の面積を二等分」 する問題は定番中の定番ですが、今回は、 「面積の三等分」 を考えてみましょう。例えば、 「半径による円の面積の三等分」 は下図のようになりますね。受験生は、 「三等分する半径の作図」 の原理も確認しておきましょう。 何…

線分比~面積比~体積比

幾何の問題に取り組む際に、 「線分比・面積比・体積比の相互変換」 が自由自在に行えるよう、練習を積んでおくことを以前から伝えてきました。その成果を、ちょっと試してみましょう。 【問題-1】AB=3,AC=4で辺BCが最長辺となる直角三角形ABCがある。 頂点A…

楽に「線分の長さ」を求めよう!(2020広島大学附属)

ノーマルな問題ではありますが、場合によっては面倒な方法で解こうとする可能性もあるので、一応やっておきましょう。なお、受験生でこの問題が解けない場合は、「線分の長さ」を求める練習が不足している証拠です。 様々な問題を解きながら、今一度徹底的に…

基本的な三角・四角形からの論理構築

誰もが知っている「基本的な三角形や四角形」のみで構成された図形問題です。小学生用の問題は、当然、 「どのような論理で導き出されたのか」 をちゃんと説明できなければいけません。幾何が苦手な子ほど、 「直感的に!」 「だって、図がそれっぽいから!…

サクッとできるかな?「角の二等分線」問題

この問題が解けなかったり、発展公式を振り回して解いているようでは、ある分野に弱点がある証拠です。自分の現在の基礎力をチェックしてみましょう。 【問題】 ADは∠BACの二等分線で、AB=3,AD=CD=4であるとき、BDの長さを求めよ。 (答え;√13-2) 【解説】…

正三角形どうしの微妙な関係

「同種の正多角形どうしが1点を共有」 している設定の問題は定番ですね。今回の問題は少し毛色が違いますが、大切な視点を鍛える問題なので、是非やっておきましょう。 【問題】 1辺8の正三角形ABCと1辺xの正三角形PQRがある。 下図のように、辺ACを3:1に内…

“比の移動・変換”を自由自在に!(2020立命館)

以前にも何回か取り上げましたが、苦手とする生徒が多い分野であるのも事実です。原理をしっかりと理解しないまま、発展公式にあてはめて解くことばかりに慣れてしまうと、応用がきかなくなってしまいます。まずは “比の移動や変換” がしっかりできるように…

“円の軌跡”と言えばこれをやっておこう!(2020灘)

“平面における円の軌跡” の練習をしておくならば、この定番問題は欠かせないでしょう。小学生は、面積を求めることは無理ですが、 「その軌跡の面積はどのように考えればいいのか」 だけは、正しく理解できるようにしておきましょう。 【問題】 同一平面上に…

長方形を回転させると・・(2020早実)

「平面における回転軌跡」の問題に慣れておいてもらうために、下記の問題の軌跡を考えてみましょう。軌跡の面積は、まだ求められなくても全く構わないのですが、 「どこにどのような軌跡が現れるか」 だけは、正しく理解できるようにしておきましょう。小学…

正三角形を回転させると・・(小学生編)

「ねぇ、お兄ちゃん、線分を回転させると円ができるよね?」 妹が塾の算数の宿題を解いている。「回転の中心の位置によるけど、線分上にあるのならそうだよ」 「違うの、線分から離れた点が中心なの…」 「だったら、実際にコンパスを使って考えてみてごらん…

サクッとできればOK!(小学生“正三角形”編)

小学生用に、豊島岡の入試問題をアレンジしてみました。多少の工夫は必要となりますが、論理的に考えていけば解けるはずです。なお、小学生の場合は、視覚的な情報を 「問題の与条件を反映したもの」 と捉えてしまいがちなので、与えられた図はあくまで参考…

豊富な知識が仇となるかも!?

下記の問題は、広島県立入試で出題されたものです。 何はともあれ、まずは解いてみましょう。なお、下記の設問の前に「△BFEが二等辺三角形である」ことを証明させています。 【問題】 下図のように、 「AB=ACである二等辺三角形ABC」 の辺AC上に点Dがある。 …

正方形の中の正方形

「小学生でも解ける問題」と「中3生以上でないと解けない問題」とのアプローチ方法の違いを比較してみましょう。 【問題-1】 下図のように、正方形ABCDの中に 正方形BPQR(面積9)と 正方形CRST(面積18)が 内接している。 このとき、正方形ABCDの面積を求めよ…