数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

正三角形どうしの微妙な関係

「同種の正多角形どうしが1点を共有」
している設定の問題は定番ですね。

今回の問題は少し毛色が違いますが、大切な視点を鍛える問題なので、是非やっておきましょう。


【問題】
1辺8の正三角形ABCと1辺xの正三角形PQRがある。
下図のように、辺ACを3:1に内分する点をDとし、点Pを線分AD上にとり、直線BD上に点Q,Rがくるようにとる。
DQ=4とするとき、xの値および四角形ABQPの面積を求めよ。

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(答え;16√3,20√3/3)


【解説】
まず気づいてほしいのが、
「△ABD∽△QPD(2角相等)」
です。

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これより、
「AB:QP=AD:QD」
となるので、
8:x=6:4
∴x=16/3


また、
△ABD=6×4√3×1/2=12√3

「相似比が3:2」
なので、
「面積比は9:4」

∴四角形ABQP
=△ABD-△QPD
=12√3×(1-4/9)
=20√3/3


(2020和洋国府台女子)



“裏返し”になっている相似図形を見つけるには、
「注意深さ」

「ある程度の問題数による慣れ」
も必要でしょう。

特に、
「2辺の比とその間の角」
タイプには、より注意が必要となりますね。