今回も前々回と同様に「平面図形」の良問です。
実際の入試問題では、大問の中に、一見全く別の求積問題が2題併記されているようにもとれる設問となっています。
しかし、頭が一旦“別物”と捉えてしまうと、なかなか両設問の関係性に気づきにくくなってしまいますね。
「予断を持たず、途中からでも柔軟に方向性を変換できるか」
も、大切な入試対応能力となります。
最初から「2題併記」に引っかかりを持った人は、意外と簡単に解くこともできたでしょうが、方向性を変換できずに“ブルドーザーのように”解き進めていった人は、かなりの時間を要してしまったかもしれません。
とりあえずは、後半の設問のみで解ききれるか、トライしてみましょう。
【問題】
△ABCはAB=AC=6の直角二等辺三角形である。
この三角形の内部に2点D,Eを、
「BD=DE=EC、∠DBC=∠ECB=30゜」
となるようにとるとき、五角形ABDECの面積を求めよ。
【解説】
中3生以上であれば、方程式を立てて難なく解いてしまいますね。
小学生の知識だけで解くとするとどうするか。
「求める五角形を“分割”してどことどこが等積か」
との方針で立ち向かうと、結構大変です。
時間制限がある入試においては得策とは言えないでしょう。
“分割”ではなく“増殖”で考えると道が見えてくるはずです。
但し“線対称増殖”ではらちがあかないので、
「BD=DE=EC」
に着目すれば、対称性から
「正多角形の一部になり得るかも…」
との発想を持って正方形をつくってみましょう。
すると、
「正十二角形の一部」
であることがわかるので、
「1辺6の正方形から余分な図形の面積を除く」
という方針に立てば、
「前設問を使える」
ことに気づいたはずです。
(※前設問~「頂角30゜の二等辺三角形2つからなる四角形(たこ形)の面積」を求めさせている)
今回は割愛していますが、
「頂角30゜の二等辺三角形2つからなる四角形(たこ形)の面積」(*)
は簡単に求められるはずなので、
「1辺6の正方形から(*)×3/2を除く」
ことで、
∴五角形ABDEC=36-18×3/2=9