数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「“軌跡”問題」に慣れておこう!

ある条件が与えられ、それを満たす点をたどっていくと、線になったり面になったりすることがあります。
 
「条件を満たすように点が自由に動く」
とすると、その無数な集合を“軌跡”と呼び、それを求める問題は“動点問題の華”とも言える分野です。
 
線分はもちろんのこと、円弧であれば曲線の長さだって求められますね。
 
また、平面図形であれば様々な面積を求められますし、球面の一部であれば求積できる曲面もありますね。
 
中3生でも、現段階では数値までは求められない場合が多いので、「動点の軌跡」の考え方の練習として、正しいイメージができるか臨んでみましょう。
 
実際に、今年の都立高校入試で出題された問題なのですが、受験生の「3次元における想像力」を試す良問の部類に入ると思います。
 
 
【問題】
1辺3の立方体ABCD-EFGHがある。
点Pはこの立方体の表面と内部を自由に動くものとする。
(1)AP=BP=3を満たす点Pの軌跡を求めよ。
(2)点Pが線分DF上にあり、AP+BPの値が最小となるときの立体P-ADEの体積を求めよ。
(3)AP≧BPのとき、BP=HPを満たす点Pの軌跡を求めよ。
 
※“点の軌跡”は、線の長さを求めるのか、面積を求めるのかは、題意から判断しましょう。