数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「3桁の整数」をつくる問題(2023西大和学園中・改題)

新学期が始まる前のこの時期ならではの、誰でも取り組める問題をやってみましょう。
 
時間が無制限であれば誰でも解けるような問題は、“素早く正しく”解けないと及第点をあげることができません。
 
皆さんもそのつもりで、小学生たちがどのようにこの問題に取り組んだのかを想像しながら解いてみましょう。
 
 
【問題】
1~19の整数が記されたカードが1枚ずつある。
このカードの中から、2~3枚選んで3桁の整数をつくる。
例えば、
「2,1,9の3枚で219」、
「2,19の2枚で219」
と同じ整数をつくることができる。
このとき、
(1)各桁の数字が全て異なる整数は何通りつくれるか?
(2)3桁の整数は全部で何通りつくれるか?
 
 
【解説】
2つの設問は、いわゆる“誘導設問”ですね。
 
この順番で解いていくことが、最後の設問を解ききるためのヒントになる訳です。
 
例として示されているように、
「違う枚数で同じ整数をつくることができる」
ところがミソですね。
 
そして、
「整数は何通りつくれるか?」
という設問は、当然
「整数は“何種類”つくれるか?」
という意味ですから、安易に順列・組み合わせの求め方だけで解決しようとすると、“案の定のミス”を犯してしまう可能性が高まるでしょう。
 
(1)
これは、正攻法で考えればいいでしょう。
 
〈3枚でつくる場合〉
必ず全て異なる整数となるので、
「9×8×7通り」
あることがわかりますね。
 
〈2枚でつくる場合〉
「1枚が10→8×2通り」
「1枚が11→不可能」
「1枚が12~19→既にカウント済み」
(※この「1枚が12~19」の場合にカウントミスを犯してしまう可能性が高くなるので注意しましょう。)
 
∴520通り
 
(2)
この設問を解こうとしたときに、
「(1)が使えるな」
と気づいたはずです。
 
つまり、
「同じ数字を含んだ3桁の整数」
を求めてしまえば、(1)と合算して解決ですね。
 
「1枚が10→2通り」
「1枚が11→9×2-1通り」
「1枚が12~19→3×8通り」
(※この「1枚が12~19の場合」と「1枚が11の場合」で重複カウントをしてしまわないように注意しましょう。)
 
∴563通り