数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

大きな数の扱い方

4桁以上の数がズラっと並んだような
「やけに面倒そうな計算問題」
を、時々目にすることがあると思います。
 
トップレベルの難関校の入試ともなると、
「ゴリゴリの計算させる」
ことも稀にあり得ますが、ほとんどの場合は何らかの工夫をすることで楽に計算できるようになっています。
 
その工夫ができない受験生は、単なる計算問題で大きく時間をとられてしまい、ペースを乱された挙げ句に、本来の力を出せずに終わってしまうこともあり得るでしょう。
 
検討すべき攻略法は絞られており、それでも歯が立たないような場合は、後回しにして落ち着いて取り組むべき問題と判断して構わないでしょう。
 
 
【問題-1】
「2024×2024-4047×2025+2031×2019」
の計算をせよ。
 

【問題-2】
42024を素因数分解せよ。
 
 
【解説-1】
普段から計算力には自信があり、
「このくらいであればそのまま計算する!」
というのであれば構いませんが、普通はそのまま計算するのは避けたくなりますよね。
 
このような計算問題の場合は、
「ある数を文字で置き換える」
ことをすれば随分と楽になるはずです。
 
「“ある数”を何にするか」
で若干の差はあるにせよ、置き換えをするだけで計算の手間はかなり省けます。
 
例えば、
「複数個ある“2024”を文字に置き換える」
という方向性でも全然問題ありません。
 
ただ、慣れてくると、
「2031×2019」
のところを見て、
「“2025”を文字に置き換える」
とした方が、より楽になりそうな“気配”がありますね。
「“和と差の積”の公式」
が使えますし、他の計算でも使い勝手が良さそうだからです。
 
 
(ⅰ)「2025=Aとおく」場合
与式
=(A-1)×(A-1)-A(2A-3)+(A+6)(A-6)
=-2A+1+3A-36
=A-35
=1990
 
(ⅱ)「2024=Bとおく」場合
与式
=B×B-(2B-1)(B+1)+(B+7)(B-5)
=-B+1+2B-35
=B-34
=1990
 
 
やはり、“2025”の方が楽とはいえ、“2024”との差はわずかです。
 
しかし、いずれにしても
「そのまま計算するよりも遥かに楽」
であることは一目瞭然ですね。
 
とにかく、
「何らかの数を文字に置き換えよ!」
という鉄則だけ覚えておきましょう。
 
 
(2024立教新座
 
 
【解説-2】
このような素因数分解も、
「小さな約数から順次見つけていく」
という手法をとるのは気が引けますね。
 
検討すべきことはただ一つ、
「“和と差の積”の公式を活用できないか?」
です。
 
つまり、
「平方数-1or4or9」
の形に変形できないかをチェックするのです。
(※「-16or25or...」の可能性も考えられますが、何もヒントが提示されていなければ、時間との兼ね合いから割り切って上記の検討のみでいいでしょう。)
 
それだけ検討してみて歯が立たない場合は、あっさり後回しにしましょう。
 
この数の場合は、
「200の2乗」
より少し大きな数であることはすぐわかるので、少し探っていけば
「205の2乗-1」
にたどり着けるはずです。
 
すると、
42024
=205×205-1
=(205-1)×(205+1)
=204×206
=2×2×2×3×17×103
 
 
(2024早実・改題)