文章題を解く際には、一般的には、
「できるだけ未知数を少なく」
して考えた方が手間は減ることが多いでしょう。
(※敢えて「未知数を多く設定」した方が考えやすくなる場合もあります。)
小学生も、
「未知数が1つ」
であれば、十分に解ききれるはずです。
次の問題も、素直に考えていくと、
「未知数を複数設定して連立方程式を解く」
という流れになるかもしれませんが、計算が面倒になりますね。
小学生ならば、なおのこと、
「未知数は1つ」
で考えたいところでしょう。
工夫して考えていけば、それは可能になります。
【問題】
12(km)離れているA地点とB地点の間を往復すると、
「行きは3時間14分、帰りは2時間58分」
かかった。
但し、
「上り坂では時速3(km)、下り坂で時速は5(km)、平地では時速4(km)」
で歩いたとすると、平地の距離は何kmだったか?
(答え;6)
上記は実際の入試問題なので、
「上り、下り、平地の3つの未知数」
を設定して解いている“模範解答”もありました…。
まぁ、「2つの未知数」設定で解く場合の方が多いとは思いますが、いずれにせよ、そんな面倒な計算やってられないですね!
【解説】
素直に「行き」と「帰り」で別々に考えようとすると、
「未知数を2つ設定」
する必要が出てきて、計算が面倒になるだけですね。
ポイントは、
「往復の距離で考える」
ことです。
そうすれば、
「上り坂と下り坂の距離」
が単純化できますね。
つまり、
「平地をx(km)」
とすると、“往復“で考えれば、
「上り坂と下り坂の各々の合計は12-x(km)」
となりますね。
(∵「行きの上り」は「帰りの下り」ですね。)
よって、
「(12-x)/3+(12-x)/5+2x/4=6時間12分」
という1次方程式が立てられるので、
∴x=6(km)
小学生も、例えば、
「平地を□(km)とする」
ことで、□を求める計算は十分にできるはずです。
(2020明大中野)
このように、
「単純化して考える(楽に解こうとする)」
視点は大切です。
以前にも触れましたが、
“何とか楽にならないかと日々考えている横着者“
のお子さんは、将来数学が得意になる可能性を秘めているかもしれません。