数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

整数の扱い方に慣れておこう!(2022慶應女子)

今回取り上げる問題も、整数問題を十八番とする難関校の入試で出題されたものです。

「整数」に苦手意識を持っていると、“1~1000の整数”という設定だけで避けたくなってしまうかもしれませんね。

しかし、整数の扱い方に慣れてさえいれば、決して恐れる必要はありません。

但し、勘違いから惜しくも正解にたどり着けないような例が結構見受けられますので、夏休みの間にじっくり向き合って理解を深めておきましょう。


【問題】
1~1000までの整数が小さい順に円形に並んでいる。

次のルールで整数に印をつけていく。
1. 最初に1に印をつける。
2. 印をつけた整数の次の整数から数えて12番目の整数に印をつけていく。すなわち1,13,25,37,...に印をつけていく。
3. 何周かすると、一度印をつけた整数に再び印をつけることになるが、そこでやめる。

(1)1周目で印をつけた整数の個数と2周目の最初に印をつけた整数を求めよ。
(2)印をつけるのをやめた後、印がついていない整数の個数を求めよ。



【解説】
(1)
つまり、
「1周目は“12で割って1余る整数”」
に印をつけていく訳ですね。

とくれば、
「1000=12×83+4」
から、
“12の剰余系”
で攻めていけばいいだけです。

しかし、ここで数え上げ方を間違ってしまっては元も子もありません。

「1000-1=12×83+3」
と考えると間違いを避けやすくなるでしょう。

つまり、
“12個の塊の最後の整数に印をつける”
という方向性で数え上げていく訳です。

最初の1個を忘れないようにして、
∴1+83=84個


またこのように考えておくと、
「1周目の最後の印から3個残っている」
ことがわかるので、
「2周目の9番目の整数に最初に印をつける」
ことが容易にわかりますね。

∴2周目の最初に印をつけた整数は9
(※2周目は“12で割って9余る整数”に印をつける)


(2)
すると同様にして、以下のように考えられますね。

「1000-9=12×82+7」
より、
「3周目は“12で割って5余る整数”」
に印をつける。

「1000-5=12×82+11」
より、
「4周目は“12で割って1余る整数”」
に印をつけることになりますが、既に1周目で印はついていますね。

つまり、
「印をつけるのは3周目まで」
とわかります。

∴1000-(84+83+83)=750個