今回取り上げる「不定方程式」は、高校入試の段階においては上級編の部類に入るものでしょう。
最終手段である“ゴリゴリ力業作戦”で対応しようとすると、特に入試本番においてはくじけてしまうことでしょう。
難関校の入試では、力業しか対応策がないような問題をわざわざ出しておいて、“素早く&くじけない”計算力をみるタイプのものも確かにあるにはあります。
しかし、
「何か方策があるはず!」
の信念のもと、まずは鉄則通りに突き進んでみましょう。
それでも、どうしても埒があかないならば、時間の許す限りゴリゴリ作戦で答えをめざすしかありませんね。
【問題】
等式
を満たす2つの自然数m,nのうち、
「mの値が小さい方から数えて5番目である組(m,n)」
を求めよ。
【解説】
不定方程式の鉄則は、
「積の形に式変形する」
ことでしたね。
今回の問題も、
「左辺の“-1”」
が扱いにくいので、
「移項して右辺を展開・整理してみる」
ことに取り組んでみましょう。
それにトライしてみたか否かが、解く時間を短縮するためのカギとなります。
すると、
と変形できるので、
「mは偶数である」
ということがすぐにわかってしまいます。
ゴリゴリ作戦でも、やがてそれが見えてくるのですが、精神的疲労度が全く違いますね。
「最小のmは4」
であることがわかり、
「5番目のmは12」
となるので、
∴(m,n)=(12,31)