数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「不定方程式」に取り組む際の鉄則(2022慶應義塾・改題)

今回取り上げる「不定方程式」は、高校入試の段階においては上級編の部類に入るものでしょう。

最終手段である“ゴリゴリ力業作戦”で対応しようとすると、特に入試本番においてはくじけてしまうことでしょう。

難関校の入試では、力業しか対応策がないような問題をわざわざ出しておいて、“素早く&くじけない”計算力をみるタイプのものも確かにあるにはあります。

しかし、
「何か方策があるはず!」
の信念のもと、まずは鉄則通りに突き進んでみましょう。

それでも、どうしても埒があかないならば、時間の許す限りゴリゴリ作戦で答えをめざすしかありませんね。



【問題】
等式
2^m-1=(2n+1)(2n+3)
を満たす2つの自然数m,nのうち、
「mの値が小さい方から数えて5番目である組(m,n)」
を求めよ。



【解説】
不定方程式の鉄則は、
「積の形に式変形する」
ことでしたね。

今回の問題も、
「左辺の“-1”」
が扱いにくいので、
「移項して右辺を展開・整理してみる」
ことに取り組んでみましょう。

それにトライしてみたか否かが、解く時間を短縮するためのカギとなります。

すると、
2^m=4(n+1)^2
と変形できるので、
「mは偶数である」
ということがすぐにわかってしまいます。

ゴリゴリ作戦でも、やがてそれが見えてくるのですが、精神的疲労度が全く違いますね。

「最小のmは4」
であることがわかり、
「5番目のmは12」
となるので、
∴(m,n)=(12,31)