数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

大きな数の計算

入試では、「西暦年数」を用いた様々な問題が出題されます。
整数問題の場合が多いですが、単なる計算問題としても用いられます。


今年“2019”年は、正に今日本で、ラグビーW杯が開催中です。
そして、来年“2020”年は、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。
さらに、“2027”年には、リニア新幹線開業が予定されています。

これらの「西暦年数」を用いて計算問題を作ってみると…


【問題】
2027×2027+2019×2020-4039×2027=?


このような計算をまともに行ったら、時間がかかって大変ですね。

最難関レベルの学校以外の入試で出題されたら、まず工夫して計算することを考えましょう。
(※大して工夫する余地もない非常に手間のかかる計算をさせ、迅速で正確な計算力を問う場合もあります。)



【解説】
ここまで数が大きいと、時間に余裕がない限りは、力業でいこうとする選択肢は避けましょう。

例えば「2019=A」と置き換えて解く方法もありますが、もっと簡単な方法がありますね。

中3で習う「因数分解の公式」を使って簡単に計算してしまいましょう。

2027×2027+2019×2020-4039×2027
=2027×2027-(2019+2020)×2027+2019×2020
=(2027-2019)×(2027-2020)
=8×7
=56



他にも、例えば「39の2乗」を簡単に求めたければ、

39×39
=(40-1)×(40-1)
=40×40-2×40×1+1×1
=1600-80+1
=1521

と、暗算で計算できてしまいますね。



因みに、「2027」は素数です。
しかも、「2029」も素数となります。
ということは、以前にも触れたことがありますが、
「2027と2029は双子素数」となります。

出題者側に立つと、入試などで使いたくなる数ですね。