「球と球が接する」、
「球が穴に嵌まる」
など、球を題材とした問題を不得手とする人もいるでしょう。
まず、「球の表面積・体積を求める式」は、正しく使えるようにしておきましょう。
その式の原理は、高校課程で理解してもらうしかないので、こればかりは正しく暗記してもらうしかありません。
その上で、下記のポイントをしっかり押さえておけば、それ程難しく感じなくなると思います。
(1)接点から球中心までの距離は半径
(2)球の平面による切断面は円
言われてみれば当たり前のことでしょうが、これを紡ぎ合わせていけば解法が見つかるはずです。
【問題】
底面が一辺6の正三角形で、上面にふたのない高さ6の三角柱の容器がある(厚さは考えないものとする)。
この容器に、半径3の球を乗せたとき、底面から最頂部までの高さは?
【解説】
この問題は、
「球を正三角柱の上面を含む平面で切断した」
と考えられれば道がひらけてくるはずです。
つまり、
「その切断面は正三角形の内接円」
だとわかりますね。
「球と容器との接点」
は即ち、
「正三角形と内接円の接点」
となります。
これらの接点をP,Q,R、球の中心をOとします。
すると、
「立体O-PQRは正四面体」
となりますね。
(PQ=QR=RS=3=球半径より)
また、球の最頂部の点をSとすると、
OS=球半径=3で、
当然「OS⊥底面」ですから、
求める高さは、
「三角柱の高さ+正四面体の高さ+球半径」
で求まりますね。
∴6+√6+3=9+√6
なお、この問題は、
「球が正三角形の穴にはまった」
という状況ですから、
「球と穴との接点は各辺の中点」
だとすぐにわかるようになればしめたものです。
(穴が正三角形でないと上記のようにはなりません。)
「球が正多角形の穴にはまる」
ということは、対称性から、
「接点は各辺の中点」
となります。