初めて解いてみた方は、いかがでしたか。
「各辺を延長して三角形をつくる」
などの通常考えられることをいくら試しても、埒があかなかったのではないでしょうか。
小学生レベルの知識で十分解けるはずの、一見簡単そうな問題なのに…。
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3桁までの加減法ができて、三角形・四角形の基礎知識さえあれば、小学生でも挑める問題です。
家にこもっている時だからこそ、親子で一緒に考えてみてください。
(但し、親の威厳を揺るがす事態になるかも…。)
三角形・四角形に関しては、下記の質問に答えられさえすれば“挑戦権あり”です。
・三角形の内角の和は何度ですか?
・二等辺三角形とはどんな三角形で、どんな性質を持っていますか?
・正三角形とはどんな三角形で、どんな性質を持っていますか?
・四角形の内角の和は何度ですか?
もしお子さんが、初見にもかかわらずサクッと解いてしまったら、はっきり言って「スゴい!」です。
その才能を生かす道を、親御さんは早急に探るべきでしょう!
※有名な問題なので、通塾している小学生ならば知っているかもしれません。
【問題】
図のような四角形ABCDにおいて、
∠ABD=20゜
∠ACD=30゜
∠ACB=50゜
∠DBC=60゜
のとき、∠ADBの大きさ(x゜)を求めよ。
【解説】
まず、求められる角度を出しておくと、
∠BAC=50゜(*1)
∠BDC=40゜(*2)
となりますね。
(*1)より、
「△BACはBA=BCの二等辺三角形」(*3)
ここで、辺CD上に点Eを、
∠CBE=20゜
となるようにとります。
すると、
∠BEC=80゜
となるので、
「△BCEはBC=BEの二等辺三角形」(*4)
となります。
また、
∠EBD=40゜
となるので、(*2)より、
「△EBDはEB=EDの二等辺三角形」(*5)
ともなります。
よって、(*3),(*4)より、
「△BAEはBA=BEの二等辺三角形」
となりますが、
∠ABE=60゜
となることから、
「△BAEは正三角形」(*6)
よって、(*5),(*6)より、
「△EADはEA=EDの二等辺三角形」
となり、
「頂角∠AED=40゜」
であることから、
「∠EDA=(180-40)/2=70゜」
∴∠ADB=70-40=30゜
このような問題は、「こうすれば解ける!」という絶対的方法は残念ながら存在しません。
いくつかの手段で試行錯誤し、最後は“ひらめき”に頼るしかない問題なのです。
いわゆる「ラングレーの問題」と呼ばれる有名な問題の一つです。
上記の問題では、「中学課程の幾何知識」を用いた解法もありますが、これも“アクロバティックな補助線”が必要になります。
ですから、この問題が解けなかったとしても、気にする必要はありません。
大の大人が解けなくても“親の威厳”は揺るがない旨、胸を張ってお子さんに説明してあげましょう。