数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

小学生も“未解決問題”にチャレンジしよう!(2020都立西・改題)

実際に都立西で出題された“未解決問題”に、小学生もチャレンジしてみましょう。

“未解決”と言っても、あることが
「全ての整数において成り立つかは未解決」
という意味なので、小学生でも身構えることなく十分取り組める内容です。


【問題】
「ある自然数aが
(1)偶数ならばaを2で割る
(2)奇数ならばaを3倍して1を加える」
という操作を自然数に繰り返して行い、初めて1になるまでの操作の回数をN(a)とする(但しN(1)=0)。
例えば、10に繰り返し操作を行う(a=10の場合)と、
10→5→16→8→4→2→1
となり、6回の操作で初めて1となるので、N(10)=6となる。
(問1)N(6)を求めよ。
(問2)N(a)=7となる自然数aを全て求めよ。
(問3)N(168)-N(8×k)=3を満たす自然数kを求めよ。


(答え;8,?,16)



【解説】
(問1)
6→3→10→5→16→8→4→2→1
∴N(6)=8


(問2)
逆算で考えていけばいいですね。

1←2←4←8←16←5←10←3
1←2←4←8←16←5←10←20
1←2←4←8←16←32←64←21
1←2←4←8←16←32←64←128

∴a=3,20,21,128


(問3)
まず、
168→84→42→21→64→32→16→8→4→2→1
より、
「N(168)=10」
となるので、
「N(8×k)=7」
とわかります。

ここで、
「8×k→4×k→2×k→k」
と、
「kになるまで3回の操作」
が必要なので、
「あと4回の操作で1」
となれば題意を満たしますね。

すると、これまでの経緯から、
「16→8→4→2→1」
という、
「最後の4回の操作の流れ」
は決まっていることがわかるので、
∴k=16


もしくは、(問2)の結果より、
「8の倍数」
を探せばk=16とわかりますね。



※なお、
(問1,3)が2020都立西の(問1,2)、
(問2)が2020愛知県立の問題でした。


慶應義塾中等部(2021)では、「12回の操作が必要な自然数」を見つけさせる出題がありましたね。