数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

受験算数から「数学」へ

食塩水問題を題材として、取り組み方を説明しておきます。

【問題】
3%の食塩水150gと8%の食塩水を何gか混ぜたら5%の食塩水になった。
8%の食塩水を何g混ぜたか?

中学受験に向けて進学塾に通っている小学生ならば、簡単に「100g」と解いてしまうでしょう。
塾で教えてもらう「面積図」や「天秤図」を用いた解法に簡単に“当てはめる”ことができるからです。
「問題のパターンに対応した解法のテクニック」を覚えこまされれば、“解法の原理”を理解していなくとも、“当てはめる”ことだけで、正答を導きだすことはできてしまいます。
もちろん、原理を理解しているならば、大いに使いこなしてもらって構いません。
(※原理を理解する段階では「面積図」の方がいいでしょう。そして、原理を理解しているからこそ“応用できる力”につながっていきます。)

しかし、中学生になっても、この方法で対処していると、「方程式を立てる」大切な習慣がつかなくなってしまいます。
「等しい関係にある数量は等号でつなぎ方程式を立てる」
「大小関係や値の範囲が設定されているならば不等式を立てる」
という基本習慣をまず身につけることが、これから始まる広大な「数学」の世界へ向けては必要になってきます。(つづく)