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「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

中学生も2020センター試験に挑戦!(比の移動編)

2020センター試験(数学Ⅰ・A)の平面幾何の選択問題も、そのまま高校入試用の「比の移動」問題になります。

「比の移動」については、以前にも扱いましたが、苦手とする生徒が多い分野です。
改めて、勉強の成果を確認しておきましょう。


なお、高校生は「メネラウス・チェバ」を用いて機械的に解いていくのですが、それらの定理を用いずに解くことの方が、中学生には大切です。
なぜなら、「定理の証明の原理」を理解することにつながってくるからです。

証明もしっかり理解できて、公式も正確に覚えているのであれば、中学生が「メネラウス・チェバ」を用いても全く構いません。


【問題】

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△ABCにおいて、
辺BCを7:1に内分する点をDとし、
辺ACを7:1に内分する点をEとする。
線分ADと線分BEの交点をFとし、
直線CFと辺ABの交点をGとする。

(1)AG:GBの比を求めよ。
(2)AF:FDの比を求めよ。
(3)GF:FCの比を求めよ。
(4)△BFG:△CDGの比を求めよ。
(5)4点B,D,F,Gが同一円周上にあり、かつFD=1のとき、ABの長さを求めよ。


(答え;センター試験の通り)


【解説】

「比の移動」には色々な方法があり、下記はその一例です。
自分にとって“最短の解法”を確認しておくといいでしょう。


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まず、DからBEに平行な補助線を引くと、
与条件より
AF:FD=8:1→(2)

次に、DからCGに平行な補助線を引くと、
AG:GB=1:1→(1)


ここからさらに補助線を引いていってもいいのですが、別の方法でいきましょう。

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△BDFの面積を7とすると、
△ABF=56,△CDF=1となるので、
△BFG=56/2=28となりますね。

これより、
GF:FC=△BFG:△BCF=7:2→(3)

また、
△CDG=△BCG×1/8=(28+7+1)/8=9/2
となるので、
∴△BFG:△CDG=56:9→(4)


さらに、(5)の与条件より、
「AF=8,△ABD∽△AFG」
となるので、
AB:8=9:AB/2より、
∴AB=12→(5)