数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

G.C.D.とL.C.M.

小学生がよく「最小公約数?」や「最大公倍数?」などとやらかすアレです。
こういう場合は、
「暗記するのではなく意味を考えようね」
と言ってあげましょう。

「最大公約数(G.C.D.)」と「最小公倍数(L.C.M.)」に関する定番問題です。

前回の“互いに素”が正に鍵となってきます。


【問題】
G.C.D.が31である2つの自然数A,B(A<B)がある。

(1) A×B=31713のときA,BのL.C.M.は?

(2) B=1116のときAのとりうる値の個数は?


G.C.D.とL.C.M.の意味・性質を、改めて再確認しておきましょう。


【解説】
まずは題意より、
「A=31a,B=31b」(*1)
とおけます。

このときに重要なのが
「aとbは“互いに素”(a<b)」(*2)
となることです。
G.C.D.とは何か?を考えればわかりますね。

では、このA,BのL.C.M.はどうなるでしょうか?
31aと31bを連除法にかければわかりますね。
「A,BのL.C.M.は31ab」
となります。

ここでA,Bの積を考えてみましょう。
「A×B=31a×31b=31×31ab=G.C.D.×L.C.M.」(*3)

つまり
「(2数の積)=(最大公約数)×(最小公倍数)」★
となる訳です。

これらを踏まえて解いていきましょう。


(1)
A×B=31713=31×1023
よって(*3)より、
AとBのL.C.M.は1023。


( 2)
(*1)より、
B=1116=31×36よりb=36

あとは(*2)を用いてaを絞り込んでいくと、
a=1,5,7,11,13,17,19,23,25,29,31,35

よってAのとりうる値の個数は12個。

※注意してほしいのは、
a=25,35の場合を忘れないことです。
「b=36と互いに素」であればよいので、
素数でない数”も該当しますね。


なお★のG.C.D.とL.C.M.の性質は、
特に上位校をめざす人には重要事項となります。