数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

3桁の自然数(2019東海)/小学生用解説

気を抜かずに短時間で全て正しく解ききれるか、が大切です。

小学生でもできるはずですが、時間は若干かかるかもしれません。
中学生ならば、数分で正しく解ききれるようにしましょう。


【問題1】
各位の数の和が7で、百の位の数と一の位の数を入れ替えると、もとの数より大きくなる。
このような「3桁の自然数」はいくつあるか?

【問題2】
ある二つの位の数を入れ替えると、もとの数より90大きくなる。
このような「3桁の自然数」はいくつあるか?



(答えは【1】「9個」【2】「80個」)



こういう問題を解く際に、該当する数を行き当たりバッタリで思いつくままに挙げていくと、失敗する可能性が高くなります。

まず解き進める方針をしっかり定めてから、挙げていきましょう。


【解説-1】
この題意を満たすには、
「百の位の数より一の位の数の方が大きい」
というところまでは気付くはずですね。

しかし、ここで気を抜くと、
「各位の数の和が7」
という条件を忘れてしまうことがあるので注意しましょう。

また、
「同じ数字を複数回用いても良いか」、
「0を用いても良いか」、
などの条件をしっかりチェックしておきましょう。


百の位の数と一の位の数の差が小さいものから順番に列挙していきます。
(※差が大きいものからでも構いません。行き当たりバッタリではなく“順番に”が大切です。)

142,133,124,115,106
223,214,205
304

上記のように列挙していけば、数え漏れは防ぎやすくなるはずです。


【解説-2】
勘のいい子ならば、
「差が90ということは、一の位の数が同じはずだ・・」
「・・ということは、入れ替えたのは百の位の数と十の位の数だ!」
と気付けるでしょう。
これに気付けないと、時間がかかってしまう場合が考えられます。

では、なぜ中学生ならば数分で解いてしまえるのでしょうか?

それは「文字」を用いて「方程式」を立てて考えるからです。


もとの数の、
百の位の数をA(1≦A≦9の整数),
十の位の数をB(0≦B≦9の整数),
一の位の数をC(0≦C≦9の整数),
とまずおきます。

(1)AとBを入れ替えた場合
もとの数との差=90(B-A)となり、
B-Aが1となれば題意を満たす。

(2)AとCを入れ替えた場合
もとの数との差=99(C-A)となり、
題意を満たすことは不可能。

(3)BとCを入れ替えた場合
もとの数との差=9(C-B)となり、
C-B=10となれば題意を満たすが、
C-B=10となること自体が不可能。

よって、(1)の場合のみ考えればよいとわかります。

「B-A=1となるA,Bは8通り」あり、
Cにくる数は「0~9の10通り」あるので、
全部で8×10=80通り。

※ここで注意したいのは、
「各位の数の和が7」
という条件は【問題1】のみのものであり、
【問題2】で用いてはいけないのは言うまでもありません。
実際の入試問題でも、設問が2つ続いており、注意力をみている訳ですね。