数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

回文数(2019中大附属)

本日8/18の日付に因んで“回文数”の問題です。

818や12321など、数字の並び方が左からも右からも同じである自然数のことです。

「整数」が苦手な小学生は“力業”にはしりがちですが、論理的に解く方法を身につけましょう。


【問題】
3桁の自然数で5をかけると回文数になる数のうち、最小の数と最大の数を求めよ。


まずは鉄則に則り、
「100≦3桁の自然数≦999」(*)
をしっかり把握しておきましょう。

そうすると、
「最小の数は101」
とまず気付けると思います。

では、「最大の数」はしらみつぶしで探していきますか?

かなりの時間を使って導き出したとしても、「確実に正解」との自信を持って次の問題に進めますか?

最後に残った時間を使って解くならば、「しらみつぶし」でも仕方ありませんが、まずは論理的に探せないか考えてみましょう。


スタートは、やはり鉄則事項(*)を用いた検討です。

そして、「5をかけるとどうなるか」を考えましょう。



【解説】
「整数」が苦手な人に、論理的に導くことの大切さを実感してもらいたい問題です。

まずは、
「500≦(3桁の自然数×5)≦4995」(*1)
ですね。

また、
「(3桁の自然数×5)の下1桁は“0か5”」
となりますが、
「(3桁の自然数×5)が回文数
とならなければいけないので、
「できた回文数の下1桁は5」
となります。

ということは、(*1)より
「できた回文数は“5□5”」
とわかります。
(※4桁の5□□5は該当しませんね。)

つまり、
「3桁の自然数×5=5□5」
ということですから、
「□=9のときが最大」
なので、
「最大の3桁の自然数は595/5=119」
とわかります。

∴最小の数は101、最大の数は119