数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

特殊な多面体の体積-2


特殊と言うほどではありませんが、6面体の体積を求める問題です。
「立体の切断」に関わる原理を、しっかり理解できているかがポイントとなります。


【問題】
全ての辺の長さが6である正六角柱ABCDEF-GHIJKLを3点A,E,Iを通る平面で切断し、
その平面と辺BH,辺DJとの交点をP,Qとする。
点Cを含む方の立体の体積を求めよ。
(2019市川・改題)


小学生には、実際の体積を求めることはできないので、「どのように求めるのが一番楽か」を考えてみましょう。



【解説】

基本的なアプローチとしては、
「柱体・錐体に分割して考える」
ということになりますが、その他の方法も理解しておくと応用問題に活用できます。


(解法-1)3分割法

三角柱ABP-EDQと、立体BCD-PIQを「三角柱+三角錐」に分割して求める。
(小学生はこの方法を思い浮かべられるようにしておきましょう。)


(解法-2)2種-2分割法

三角柱ABP-EDQと、“断頭三角柱”BCD-PIQに分割して求める。
(“断頭三角柱”の体積の求め方を知っていると、(!)より少し楽に求められます。)

6×4×1/2×6√3 + 6√3×3×1/2×(4+4+6)/3=114√3


(解法-3)1種-2分割法

求める立体を2等分して求めます。
AEの中点をMとすると、
(求める立体)=(MCI-EDQ)×2
となりますね。

「3点A,E,Iを通る平面で切断」したので、
直線AE,CD,IQは1点(N)で交わります。

三角錐N-EDQと三角錐N-MCIは相似な立体なので、
相似比(2:3)を元に立体MCI-EDQの体積は簡単に求まります。
〔※相似比2:3の相似な立体の体積比は「(2の3乗):(3の3乗)」となります。〕

9×6×1/2×9√3×1/3×(27-8)/27×2=114√3


(解法-2)あたりで求めるのが妥当でしょうが、
応用問題に難なく対処できるようにするには、(解法-3)の原理をわかっておくことも大切です。