「立体の切断」ができるようになったら、
様々な「点と平面の距離」に関する問題に臨めるようになります。
「点と直線の距離」の考え方を応用すればよいだけなので、決して難しくはないはずです。
ただし、できるだけ面倒な計算を避けるように考えていくコツを掴んでいきましょう。
【問題】
1辺4の立方体ABCD-EFGHの、
辺AD,ABの中点をI,Jとする。
(1)点Eと、3点H,I,Jを通る平面との距離は?
(2)点Jと、3点C,I,Eを通る平面との距離は?
【解説】
(1)
まず、3点H,I,Jを通る平面がどうなるかを考えましょう。
直線EAと直線HIの交点をKとすると、
「3点H,I,Jを通る平面」は「△KFH」を含みますね。
この平面による立方体の切断面で考えると、
「等脚台形HIJF」を含む平面となります。
ここで、「3点H,I,Jを通る平面」をどちらで捉えるかで計算の手間が変わってきます。
つまり、Eを頂点とする錐体を
「E-KFH」とするか「E-HIJF」とするか、
です。
この場合では、「E-KFH」で考えた方が“若干”楽ですね。
(E-KFH)=(△KFH)×(求める距離)×1/3を解いて
∴(求める距離)=8/3
(2)
まず、3点C,I,Eを通る平面がどうなるかを考えましょう。
FGの中点をLとすると、
「3点C,I,Eを通る平面」による立方体の切断面は「ひし形CIEL」となりますね。
とすると、定石通りにいくならば、「四角錘J-CIEL」の体積をまず求める必要があります。
しかし、この四角錘の体積を求めようとすると、何か手間がかかりそうな・・。
そこで、何か工夫できないか考えてみましょう。
「三角錐J-CIE」で考えるのはいかがですか。
この三角錐を用いても解にたどりつけますし、何より計算がかなり楽になりますね。
「三角錐J-CIE」の体積は
「E-CIJ」と考えればいいですし、
「△CIEの面積」は
「ひし形CIEL×1/2」で簡単に求まりますね。
(E-CIJ)=(△CIE)×(求める距離)×1/3を解いて
∴(求める距離)=√6
入試では、このような計算の工夫をすることは、結果に大きく影響してきます。
「少しでも楽に解くには?」との姿勢で訓練を積み重ねていきましょう。