数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

堅実派がはまりやすい落とし穴

入試などでは、“一か八か”の時間しかない状況でない限り、堅実に取り組んだ方が正解率は上がるでしょう。

だからといって、自らの堅実性に胡坐をかいていると、意外と簡単に落とし穴にはまってしまうことがあります。


前フリした上で出題するので、ミスは犯さないだろうとは思いますが、一応次の問題をサッと解いてみてください。

入試では「小問集合」で出題される類のものなので、素早く解ききってしまいたい心理状態だと想定して取り組んでみるといいと思います(制限時間:長くて3分)。


【問題】
3桁の自然数で、数字の「9」を含む数はいくつあるか?


【解説】

堅実派は、まず場合分けするはずです。

(1)9が1つ含まれる場合
(2)9が2つ含まれる場合
(3)9が3つ含まれる場合
の3パターンありますね。


(1)9が1つ含まれる場合

犯しやすいミスは、
「9×9×3個」や「8×9×3個」
です。

実際は、
□□9が8×9個
□9□が8×9個
9□□が9×9個
の合計225個ありますね。


(2)9が2つ含まれる場合

犯しやすいミスは、
「9×3個」や「8×3個」
です。

実際は、
□99が8個
9□9が9個
99□が9個
の合計26個ありますね。


(3)9が3つ含まれる場合

これはミスのしようもなく、1個ですね。


∴225+26+1=252個


どうでしたか?
堅実に、かつ素早く、正解にたどり着けたならば上記の方法でもOKです。

しかし、堅実にいったがために、逆にミスを誘発させやすくしてしまった側面は否めません…。



では、“堅実派でない人”はどのようにサッと解いたのでしょうか。

いわゆる「余事象」の考え方で臨んだ訳です。

つまり、
「9を含まない3桁の自然数
の個数を数えた訳です。

「0,1,2,3,4,5,6,7,8の9個の数字」
を組み合わせた3桁の自然数を数えればいいですね。
当然0だけは千の位に使えませんから、
8×9×9個ありますね。

∴9×10×10-8×9×9=252個


明らかに、「余事象」の考え方で臨んだ方が、素早く解ける上に、ミスも誘発しにくいですね。

このような考え方は、一度触れておくと、次からは生かせるでしょう。
(“二度と同じミスをするものか!”という強い気持ちがあってこそですが…)