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「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

“頻出”四面体問題(2019都立日比谷)

(2020/2/14更新)
頻出している「四面体問題」なので、都立入試に備えて、改めて確認しておきましょう。

都立日比谷で今年も出題されるとしたら、難易度は上がったものになるでしょう。
しかし、基本は押さえておいてもらいたいので、再投稿しておきます。

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一般的に、四面体の体積は、
「四面のうちのある面の面積」と
「その面から残り1つの頂点までの距離(高さ)」
から求めることができますね。

ところが、都立日比谷などで頻出している立体は、上記のものが何れも求めにくい四面体です。


2019年は、体積こそ求めさせていないものの、体積の求め方がわかっていれば難なく解ける問題でした。
ギュッと凝縮すると下記のような問題です。

f:id:booterpig:20191005233328j:plain
【問題】
1辺6の立方体ABCD-EFGHにおいて、
AP=5となる点を辺AE上にとったとき、
立体(A-BDP):立体(G-BDP)=?
(2019都立日比谷・改題)


【解答】
実際にそれぞれの立体の体積を求めていってもいいのですが、体積比を求めるだけなので最短ルートでいきましょう。


まず、四面体G-BDPの体積を求める際の定石通りに、平面AEGCで立体を切断します。

f:id:booterpig:20191005233409j:plain
その切断面を△PGQとすると、点Qは線分ACの中点となりますね。

次に、PQを延長してGCとの交点をR、PRとAGの交点をSとします。

すると、△APS∽△GRSより、
「AS:SG=AP:GR=5:11」
となりますね。

ここで、
「立体(A-BDP):立体(G-BDP)=AS:SG」
ですから、

∴立体(A-BDP):立体(G-BDP)=5:11


因みに、四面体G-BDPの体積は、
「(△GPQ)×(BD)×1/3」
で簡単に求められますね。

また、この四面体G-BDPの体積は、
「立方体から余計な三角錐や四角錘を取り除く」
ことでも求められるので平易な部類です。
実際、一般都立入試でも、同じ構成(数値だけ異なる)の四面体の体積を求めさせる問題がありました。


参考までに、2018年の日比谷では下記の四面体の体積を求めさせています。
f:id:booterpig:20191005233606j:plain